楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

登窯と比べるとおもちゃみたい!こんなに小さい楽窯!

登り窯は皆さんご存知だと思いますが、楽茶碗を焼く楽窯は余り馴染みがないと思います。初めて見る人は「何だ、これ!」と感じる位に小さい窯なんです。

黒楽を焼く楽窯の大きさは、直径が約30センチで、高さが50センチ位。赤楽を焼く赤楽窯は多少大きく、直径が50センチで高さが約70センチ位の小規模な窯です。

このような窯ですから、黒楽の楽窯は1碗1窯で焼成し、登り窯のように一度に作品をたくさん焼くことは出来ない窯なのです。

だから、失敗は出来ません。焼く前から恐ろしい位のプレッシャーが掛かってくるんです。今日のフイゴの動きは大丈夫か?とか、炎の上がりは良いか?などと、思いながら、焼いていきます。

楽窯の場合は、炎はフイゴの吹きと連動しています。フイゴを押せば、炎が「ボー」と唸り、フイゴを引けば、また「ボー」っと炎が唸ります。

その炎の音により、楽窯内の燃焼状態を把握しながら、温度を上げて行くのです。だから、焼きが始まったら休む暇は一切ありません。

見た目には窯らしくない楽窯ですが、実は登り窯の窯焚きが短時間に濃縮されたような窯なんですよ。

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