楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

「還元」と「酸化」ってなんだ!

「還元」と「酸化」と言葉は良く聞くけど、何か理解出来るような出来ないような感じではないでしょうか?

この「還元」と「酸化」と言う言葉は、陶芸においては良く使う言葉です。

簡単に言えば、焼成する時に窯の中に酸素がたくさんあるか無いかと言うことなんです。

窯内に酸素がある状態が「酸化」で、酸素が足りない状態「還元」です。

まだ、分かるような分からないような感じではないでしょうか?

窯は一種の閉鎖された空間です。その閉鎖空間で木材とかの燃料を燃やします。だんだん炎も大きくなり、窯内が全て炎に包まれます。

すると、窯内にある作品は炎の中に包まれ、酸素と接することが出来なくなりますね!この状態が「還元」です。

逆に炎が小さく、作品に炎が達しない場合は、酸素と作品は接しますの「酸化」となりす。

では、「還元」状態の作品と、「酸化」状態の作品にはどの様な変化が起こるかが大事なのです。

粘土には鉄分が含まれています。一般的に鉄分が少ない粘土は白土と言い、鉄分が多くなると赤土となります。

この粘土に含まれる鉄分により、「還元」や「酸化」により、作品の色合いが変化するのです。

白土を「還元」状態で焼くと、作品の色合いは、白灰色になります。「酸化」状態で焼くと明るい白色となります。

赤土は「還元」状態で焼くと、灰色になり、「酸化」状態で焼くと赤色の作品となります。

要は粘土に含まれる鉄分が酸化するかしないかなのです。酸化すれば鉄分は赤くなりますよね?その原理と全く同じなんです。

作品の上に施す釉薬も同じ現象が起きます。灰釉と言う透明釉に少量の鉄分を加え、酸化状態で焼くと「黄瀬戸」が出来ます。

同じ釉薬を「還元」状態で焼くと「青磁」のような青緑の色合い作品となります。

釉薬の中の鉄分が酸素のあるなしにより色合いが変化しているのです。

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