楽茶碗の赤楽と黒楽
前の書き込みで上げた各色の楽茶碗。お話したように赤楽茶碗と黒楽茶碗が有名ですが、茶碗を製作するときには赤楽茶碗のほうが手間がかかります。
茶碗の高台を作り上げ、黒楽茶碗はそこから製作した茶碗の乾燥工程に入りますが、赤楽茶碗はそうはいきません。半乾きの状態からのもうひと工程の手間がかかるんです。それは黄土塗りです。
黄土の塗りは製作した茶碗の生乾きの状態をしっかりと見極めることがとても大切になります。その乾燥状態が適切でないと、黄土の塗りが上手く出来ないんです。
素焼きしてから黄土を施す方法もありますが、素焼き後から黄土を施すより素焼き前のほうが赤の発色が上手いきます。
だから、赤楽をたくさん製作するときは、生乾きの状態に神経を使うため、少し嫌になります。
その訳は日々の気温や湿度により全く時間が読めないからです。1時間で黄土塗りが出来る時もあれば、2~3日後となることもあります。
そんなことで、「まだ作業が残り、次の工程作業に移れない~!」なんて感じになるんです。
でも、茶道では黒楽のほうが上に見られますよね!不思議な感じです。お薄は赤楽で濃茶は黒楽。誰が決めたのかなぁ~何て思うこともあります。