楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗の「割れ」の「美」

名品の楽茶碗に「割れ」を活かしている作者が二人います。本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)と上田宗箇(うえだそうこ)です。

それらの作品は、現代の感覚からすれば不良品となるでしょうが、共に茶碗の「割れ」を「美」として表現しています。

世間では、偶然に焼成中に割れたとか、光悦は茶碗作りは素人だったからなどと言われていますが、それは誤りです。

何故なら、光悦の茶碗にしても上田宗箇の茶碗にしても、割れの断面にも釉薬が施されています。

その「釉薬が施されている」と言うことは、焼成する前に「これで良し!」と本人達が判断して釉がけをして焼成した証となります。

古伊賀の作品に「破れ袋」という水差があます。作者は誰かは分かりませんが、この作品にも「割れ」があります。

当時は「割れ」を「うつくしさ」として見る感覚があったのです。

みなさんも「割れ」がある作品を見た時は、「うつくしさ」がそこにあるか無いかをしっかり観察してくださいね!

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