楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗に幸せを!持ち主に幸せを!

今日ネットを何気なく見たら、以前納品した茶碗が、納品先から茶道具商に販売され、その茶碗がお客様の手に渡ったようです。

これから、持ち主も焼き上げた茶碗も、どの様な人生を歩んで行くことか気になります。

茶碗で言えば、あの茶碗は「ここをこう努力したんだよなぁ~!」とか、「あの表現は焼き上がりには出なかった!」とか色々と思い出します。

私は何故、古来からの釉薬を使うかと言えば、経年と共に味わいが出て来るからです。同じ焼き方を再現するのも同じ考えから来ています。

持ち主と共に茶碗も歳を重ねて行くと言ったら、かっこよすぎますかね!

茶会と能は、何故か似た者同士だと思います。茶室も能を舞う場所も変わらなく、変わるのは茶道で言えば道具類や人間だけです。

能も、舞台の後部壁面に描かれた一本松だけ!演目による衣装や面が変わるだけです。

オペラだったら舞台背景も変わり、よりリアリティーがあり、物事が理解しやすいです。

しかし、茶会と能は道具や衣装より、その当事者たちの目に見えない、現実の場の時空を超えた世界での空間が必要になると私は考えます。

分かり合える人と人。それこそが茶の醍醐味、能の醍醐味だと。

だから、買って頂いた茶碗にも味わいある人生を味わって欲しいし、また持ち主の方は茶碗以上にその茶碗により良き茶を味わって欲しく思います。

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