楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

茶道ゾンビバスターズ

楽茶碗を作り続けていると、「長次郎形で口径が12〜13センチ位の茶碗でお願いします!」なんて言う注文が入ることがあります。

そんな時は「ゲゲっ!」と思うんです。何故かって?それはですね、長次郎はあのサイズだから長次郎なんです。

それが12〜13センチもある茶碗だと、同じように作ってもバケモノ茶碗にしか見えません。

しかし、現代では一客一碗では無く、何人も呑むので、大きめな茶碗が好まれるんですよね!

本末転倒していると思うのは私だけでしょうか?

マーケットの望む茶碗を作るのが私の仕事ですから文句は言えませんが、何か違和感を覚えます。

聞いた話ですが、「長次郎などは美術品、私達が欲しいのは、茶道で使うお茶碗なの!」だそうです。

???何処が違うの?なんて言う感じです!

この発言をした方が、茶道の先生でないことを祈るばかりです。

なぜなら、お弟子さん達が皆先生と同じ考えになってしまう弊害が起こるからです。

先生は国の政治と同じです。政治が悪ければ、国は悪くなります。同様に先生が悪ければ、お弟子さん達も見識が足りなくなってしまいます。

私は、いつも思うのですが、茶道の先生には、作法や礼儀、またお題目の「おもてなしの心」だけではなく、お茶碗とは何か?をもう少し勉強して欲しいと願います。

博物館などで綺麗な着物を着た女性数人が連れ添っている光景を見ることがあります。

そして、展示してある茶碗について、如何にももっともらしく連れ添いの他の女性たちに説明しているんですが、私の耳に入る内容は、「???」、「うそー!」、「何処からそんな間違った知識を学んだの?」、「オバサン、違うよ!」なんて言う感じのオンパレード。
※口が悪くてすいません!


しかし反対に説明を聞いている女性達は、「知らなかった!」、「また一つ勉強になりました!」と大喜び。

その光景を度々展示会や博物館で見る度に「また茶道ゾンビ増殖中」なんて思ってしまう私です。

しかし、茶道の先生全てではありませんよ。(一応フォロー)

現に、今月からある茶道教室で茶碗についての座学を始めるんですから。

その先生は作法だけではなく、茶碗も知らなければ茶道ではないという立派な意志を持っています。

茶道ゾンビが増殖したら大変なことになってしまいます。

だから、どんな方法でも良いですから、茶碗とは何か?を勉強してくださいね!

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