茶道に於ける初座と後座。ストーリーの中の配役達
私は茶道を知らない上でお話するのも恐縮ですが、茶道に於いて初座の主役はお軸、後座の主役は花入と聞きました。
なるほど!茶道をされている方々はどのようなお軸を床に掛け、どのような花を花入に活けていらっしゃるのでしょうか?気になる所です。
有名な和尚のお軸か、誰かの手紙などですかね?
私にはサッパリ分からない世界ですが、一つ考えられることがあります。
床を飾る初座のお軸。そして後座の花入。共に取り合わせは必要ですよね。では取り合わせは何を基準にしているのでしょうか?
例えば、私の好きな一休宗純の「一休」と一休の書を床に飾ったとします。
後座の花入にいける花はどんな花を入れますか?バラではおかしいですよね! すみれ? つばき?
茶道をされている方でしたら、季節の花々をすぐ選択できるでしょうが、私は残念ながらそれは連想出来ません。
しかし、形式では無い考えで、花を考えることは出来ます。一休さんだったら、どの花が似合うだろうか?一休さんの一休と言う書の心境を、何かの花で表現出来ないか?
一休さんを表現する花をひたすら探します。何故なら普通に考えても初座のお軸と後座の花入とは切っても切れない関係が存在するように感じるからです。
その一連性がなければ全て断片となり、ストーリーが生まれないからです。
そう考えると茶碗も同じで、そのストーリーの流れから全く外れ、空気の読めない茶碗ではお話にならなくなります。
楽茶碗の作る工程や技術。また釉薬の調合や焼成方法を伝えることは簡単ですが、時々のストーリーの中での空気感を失わせない茶碗の作り方を伝えていくことの難しさを改めて感じます。