楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

上田宗箇作「さても」を思う

上田宗箇作の楽茶碗「さても」。
良い茶碗です。

宗箇らしく、茶碗の正面及び飲み口の下に一刀した如く削りを入れています。

この茶碗はまだ私は全てが解明出来ていません。

土本来の色を還元焼成し、血しぶきのような表現は銅釉だと考えています。

そこまでの確率は70%。

問題は土なんです。あの色合いが出る土は何か?

黄土を使用したら、色あいはもう少し緑色になります。ですから黄土の還元色ではありません。

土に含まれている微量の鉄分による還元色なんです。

考えられることは、広島で「さても」が焼かれたのであれば、防府で採取される萩系の大道土系か、広島の西条で採取される西条土なのです。

「さても」は茶碗の外周は宗箇らしく、縦のシノギを施し、見込みはカンナで横削りを施し、陰陽をしっかり出している茶碗なのです。

また、それに反し高台は何の造作もなく、武骨そのものです。

宗箇がまるで、茶碗の裏はどうでも良い!表で勝負だ!なんて言っている感じがする茶碗なのです。

そんな楽茶碗「さても」、形は違えどいつか挑戦したい茶碗です。

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