楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

本物の黒楽茶碗を焼かせてあげたい。でも問題が!

茶道をされている方々に「自分の楽茶碗を焼いてみる」と言うアイデアを考えています。

横で私が指導すれば、製作や焼成は問題は何らありませんが、問題点は1碗にかかる費用なんです。

私は楽茶碗が本職ですので、私の製作時と同じように茶碗を作ってもらいたいと思っています。

ですが、原料が全て昔のようにしていますので、「楽茶碗体験」の世界ではなく、本物の楽茶碗製作になってしまいます。

楽茶碗の製作時もチャチャチャではなくて、しっかり作り込む。すると時間はかかる。

釉薬原料の加茂川石も貴重な本物の加茂川石。

何故、初めての方でも本物の原料を使うか?それは、後にその本人が自ずと分かるからであり、後々やはり良かったと思う事が分かるからなんです。

本物の黒楽茶碗の釉薬原料である貴重な加茂川石は、経年と共に味わいを増していきます。

この変化は誰でも分かります。しかし、一般での楽茶碗製作では、本物は使わないし、また本物を焼く技術を知らないか、また知っていても教えはしないでしょう。

しかし、それでは自分の楽茶碗を焼く意味がありません。

本物とは何か、を知らなければその本人の進歩はないからです。

でも、1碗の黒楽茶碗を焼く加茂川石の粉砕に4時間は軽く要します。フノリ作りや炭火切り、トチなどの焼成道具作りに素焼きなどたくさんの裏方仕事があります。

なので、原価だけで3万円は楽にかかる昔ながらの楽茶碗。

市販の加茂川石を使っても、黒楽茶碗は出来ます、でも名前だけ!

今はそのような原料を使っている黒楽茶碗に慣れているから、それだけで満足するかも知れません。

しかし、初めから本物の黒楽を知るとでは、趣も手触りも茶碗の経年変化も全く異なり、月とスッポン!

出来れば全て本物を経験させてあげたいです。

しかし、私はただ働きになるし、また楽茶碗を体験する方はそれが理解出来るかが頭が痛い難問です。

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