市販の加茂川石と加茂川岩石の違い
黒楽茶碗の釉薬に使う加茂川石について、何回も説明していますが、市販されている加茂川と石から砕いた加茂川石との違いを説明したいと思います。
市販の加茂川石は直ぐに釉薬調合が出来るように石粉として販売されています。
何社かの主な販売元から入手して、焼成試験をしてみましたが、おおよその結果ですが、市販されている加茂川石粉は3種類でした。
同じ条件下で試験したところ、融点は多少幅がありましたが、岩石から砕いた加茂川石とさぼど変わりません。
色合いは各社とも、融かし過ぎるとペンキ状の肌合いとなり、その少し前では少し照りは落ち着きますが、ヌタットした感じでした。
ポットミル(微細化する器具)で均等に擦り上げされているのが原因かもしれません。
また肌の色も各社単調な色合いで、味わいや趣には少し足りない感じでした。
これは製品である以上、均一化させなければならないので、仕方ないことです。
加茂川岩石の場合は、その石により焼き色には大きな幅があります。
岩石故に仕方のないことなんです。
どちらも一長一短ありますが、昔の楽茶碗を焼くためには、加茂川岩石を砕くしか道はないようです。