黒楽茶碗や赤楽茶碗の焼きは効率を考えてはいけません!
今日は姫谷を思い出してしまったので、窯について書きます。
登窯は別名「融通窯」と言われているのは知っていますか?
なんで融通窯と言うかと言うと、単に融通が効くからです。
登窯で有名窯と言えば、やはり土岐にある元屋敷窯です。
定かではありませんが27連房の窯だったかな?間違っていたらごめんなさい。
27連房ということは27部屋ある窯なんです。
焚き口に近いところは還元に向く作品を入れて、奥に行くに従い酸化に向く織部や黄瀬戸を入れたんです。
部屋がたくさんあって、いろんな作品を焼けるから融通窯と言うんです。
今は登窯と言いますけどね!
その江戸初期から稼働している元屋敷窯ですが、この窯で焼いた志野は良くありません。
長石釉が融けきり、志野の見所であるあわ雪のような赴きは全くないんです。
志野はやはり大窯が最高です。
でも大窯は凄く効率がワルイ窯なんです。
燃料の松は垂れ流しのように使います。登窯の比ではありません。
やきものは効率だけを考えると、作品はドンドンダメになります。
楽窯も同様です。黒楽の加茂川石も簡単に融かそうと思ったら、フイゴを吹きまくれば、簡単に融けます。
しかし、そんな黒楽の肌は赴きなんて全くなくなります。
焼きは昔から「殿様焼き」と言って、ノンビリ焼いて行くのが大事なんです。
効率ばかり求めてはいけないものなんですよ!