有鉛フリットか無鉛フリットか?
昨日、YouTubeのコメントに質問がはいりました。
その方に返信もしますが、ブログの読者の方々でも同じ疑問があると思い、こちらにも書いてみます。
YouTubeでの質問は私が有鉛フリットを使っていますか?との質問でした。
ここで改めて、分からない方もいると思いますので、やさしく説明します。
釉薬原料には「有鉛」と「無鉛」があります。
字の如く、前者が鉛を含んでおり、後者は鉛を含んでいません。
食品安全上、明治までは有鉛は当たり前でしたが、それ以降はだんだん有鉛材料は控える傾向にあります。
しかし、九谷焼や有田焼などの色絵産地及び楽の世界では、無鉛フリットを使用すると、発色が悪く、また伝統文化の色自体を継承するためにどうしても使わざるおえない現状にあります。
私においても、無鉛フリットは殆ど使用しません。
何故なら、無鉛フリットでは昔の色合いは出ないことが理由です。
特に、今回のような赤楽茶碗は有鉛フリットを使わなければ、あのような赤の発色は不可能なんです。
もし、無鉛フリットで出したとしても、無理やり色をつくりだすために、いろんな原料を足し算、引き算して無理やり出すしか方法はなく、それはもう伝統文化ではなく、ペンキの混ぜ合わせのような方法であり、別の次元での作り出した嘘の色合いとなってしまうのです。
ですから、私は有鉛フリットを使っています。