楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

アメリカのRAKU焼

アメリカでも楽焼は盛んなのは知っていますか?

「RAKU」と言って、皆が日本より気軽に焼いています。

アメリカには色んな色の低温釉薬(800度位で融ける釉薬)がたくさん販売されています。

それを釉がけして焼くんですが、焼けてから窯から出した時に、もう1つ工程があります。

それは真っ赤に焼けた作品を火ばさみで掴み、オガクズの入ったカンカンに一気に入れます。

すると真っ赤になった作品をオガクズの中に入れるんですからボッと燃えます。

そこで一気にカンの蓋をして蒸し焼きにするんです。

それでも蓋をしたカンからはモクモク煙が出てきますが、少し時間を於て作品を出すと、色々な釉薬の色が窯変し、虹色になったり、炭化して黒くなったり、銀化したりして、普通に焼いた色合いと全く異なり、アメリカ人はこれらの工程で出来たRAKU焼が大好きなんです。

これは日本の楽焼と較べたら別物のやきものなんです。

だから、楽焼ではなくて「RAKU焼」。

皆さんも、変わった作品を作りたいかたは、是非挑戦してみてください。オガクズはなかなか無いと思いますので、ペットショップに行って、ハムスター用の木くずを買ってください。

この焼き方は還元と言ってもウソはないですが、「炭化焼成」と言った方が良いかもしれません。

でも、正規なというか、昔からの楽茶碗を焼きたい人はやってはいけませんよ!

炭化焼成となってしまいますので、炭素が茶碗に付着して銀化したり、炭素が素地の中に入り込んで作品が汚くなりますからね!

挑戦するなら、いろんな色の低温釉でしてください。
f:id:mei-un:20141025220748j:plain

Copyright 2014 meiun All rights reserved.