楽茶碗の目跡は焼いた当時の生き証人です。
楽茶碗の畳付につく目跡。
長次郎作品から楽家三代の道入(のんこう)の目跡を見てみると、しっかりトチの歯の本数が分かるものから、目跡がベタベタとついて、どのようなトチかも推測出来ない楽茶碗がたくさんあります。
綺麗に目跡がついている作品は、焼いている最中に茶碗を動かしてはいません。
火の当たりがどうしても悪く、茶碗を窯の中で回さなければならなくなると、どうしても、茶碗とトチがズレてしまいます。そうなると目跡は綺麗に付かなくなります。
また目跡が何本も必要以上にあったり、ベタベタになったりしている高台の畳付は、焼いている最中に茶碗を動かしたか、または二度焼成したものです。
楽茶碗は高台の目跡を見ただけで、焼いているときの証ですので、その時間を妄想して鑑賞してくださいね!