楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽家三代の道入(のんこう)にみる赤楽技法

楽家三代の道入(のんこう)さんは、何回もこのブログに登場していますが、今回は道入の赤楽の技法について説明します。

説明する前に、基礎知識として漆(うるし)について一言。

茶碗が割れたり欠けたりしたときに、漆を使って補修する「金継ぎ」や「銀継ぎ」はご存知ですよね!

今はボンドがありますけと、昔は漆か、膠(にかわ)か、ご飯粒が接着剤でした。

なので、陶器が割れた時は、漆を接着剤として直したんですが、漆は色が焦げ茶色で、今一綺麗ではないんですよ!

なので、その漆で直したところに金で化粧直しをしたのが「金継ぎ」で、銀で直したのが「銀継ぎ」なんです。

ここからもう少し深く話を進めます。

金継ぎの場合は、下の漆が赤漆のほうが、金継ぎの金色が映えるんです。

また、銀継ぎは下地が黒のほうが渋さが増します。

この理屈を道入は赤楽に応用しています。

機会があったら、良く道入の赤楽を観察してみてください。

赤色の下地には黄色を施しています。

金継ぎの理屈の逆をしているのです。

なぜかって?

それは、赤が映える発色にさせたかったからなんですよ。

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