フイゴの構造の話
前にも話していますが、今日は「フイゴ」の話をまたしたいと思います。
「フイゴ」は日本では800年以上前から使われていますが、今空を飛んでいる飛行機のジェット機のエンジンと同じ理論だということを知っていましたか?
フイゴは引き手の棒を押したり引いたりして空気を送る機械、いや箱です!
押しても引いても送風口からは空気がでます。
これだけ聞けば、ただの送風機と変わりありませんよね!
でも、違います。ピストンが付いている大部屋とそこから出された空気が今度は小さい空間に送られて加圧されます。
ですから、送風口からは加圧された空気が出ることになります。
一方の飛行機のジェットエンジンは、上空は空気が薄いために、ジェットエンジンの前面に付いている無数のプロペラみたいなフィンにより上空の薄い空気が加圧され、空気密度が高くなります。
その高くなった空気に燃料を霧状に吹き付けて燃焼させているので、バワーがでます。
燃焼する原理は、ちょうどファンヒーターみたいな感じです。
ファンヒーターも事前に空気を加圧したら、凄いバワーのファンヒーターができそう!
話は少しズレちゃったけど、フイゴも空気をただ送るのではなくて、加圧して送る箱。
ジェットエンジンも加圧して燃焼させるエンジン。
理屈は似ているでしょ!
フイゴ自体では、エンジンじゃないから燃焼構造はありませんけどね!
そんな凄い構造の箱なんですが、箱の中のピストンのシール(パッキンのようなもの)は、実はタヌキの毛なんです。
昔からタヌキは日本にたくさん居るからてますかね?
タヌキの毛はダブルコートとなっていて、丁度柴犬のように短い毛と長い毛が密集しているんです。
これを、始終動くフイゴのピストンのシールに使うと、押したり引いたりすると、ピストンの隙間から空気は逃げようとするんですが、密集しているタヌキの毛により、迷路みたいに空気が抜けるまで時間差が生じてしまいます。
その空気が抜ける時間差より早くピストンが前後するので、結局空気が漏れないこととなるんですよ!
なんとなくこの理屈理解出来ましたか?
要は、
フイゴはただの送風機ではなく、空気を加圧して送る箱である。
ピストンのパッキンはタヌキの毛をつかっている。
これだけ知っていれば、フイゴの知識はオーケーですよ!
次回は、フイゴの吹き方を!
そうだ!最後にフイゴの種類を話さなければ!
箱みたいな形状の「吹きフイゴ」と数人の足でシーソーのように空気を送る「足踏みフイゴ」があります。