楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

長次郎の凄さ!

来る30日に長次郎についての講演を控えているのに、何を話そうかをまだ何も考えていない困ったオヤジです。

皆さんは長次郎は好きですか?先ほど話した様に、長次郎は瓦師と言われていますよね!英語では「tile maker」です!(エッヘン!)

今残る長次郎作品は、正確には長次郎焼と表した方が良いかもしれません。

現代では、陶芸作家は何から何まで一人で行うようになっていますが、日本の職人は全てどの分野でも集団です。

ですから、長次郎も職人集団の言わば親方なんです。

なので、長次郎作品には、いろいろな造形があり、また造作も異なる訳です。

ただ、私が凄いと思うことは、どの茶碗にも、利休の哲学が反映されていると言うことです。

このことは並大抵ではありません!

作者が異なれば、自ずと哲学も変わって来てしまいます。でも、それが無い!

そこがとても凄いのです。

例えば黒楽茶碗の「大黒」と「俊寛」を比べると、形の違いは別としても造作が箇となります。

「大黒」は下が厚く重めの茶碗です。

しかし一方の「俊寛」は全体的に薄作りで、茶溜りもしっかり作り込んでいます。

明らかに作者は違います。

しかし、双方の茶碗は利休の哲学を表している茶碗なのです。

私が一番に上げる長次郎作品の凄さは、そこにあるのです。

それを底辺として、釉薬の凄さ、焼きの凄さが加わってくるのです。

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