『楽茶碗の焼成に温度計は必要無し』
やきものの焼成となると、皆さんは指標となる温度が気になりませんか?
何度位で焼けるんだろう?とか、今何度なんだろう?とかね?
それが普通の心理だと思います。
でも、実際の楽茶碗の焼成に於ては、温度は関係ありません!
要は自分が目標とする茶碗が焼ければいいのです。
何か曖昧過ぎて不満ですか?
でも、実際はこれが現実なのです。
自分の納得だけで、温度計を買いますか?
「この茶碗は何度で焼いたんだ」と言う納得だけで?
その納得のために、温度計とセンサー(パイロメーター)を買わなければなりません。
それだけで、軽く4~5万円はかかってしまいます。
確かに穴窯では温度計は必要です。窯の前と後に温度計は必要です。
何故なら、窯内の温度は前後では異なるために、その温度差を見ながら薪の入れ方を変えて温度差を無くしていくために必要となるからです。
でも、楽窯の場合は、窯も小型ですし、また、黒楽だったら1碗、赤楽だったら焼いても4~6碗ですから、温度計は必要ないんです。
また、楽茶碗の焼きは、温度計で温度を確かめるより、実際に窯内の焼いている作品を目視して、今の茶碗がどのような状態か確認しますので、その目視の方が重要になる訳です。
ですから温度計は必要ありません。
一番大事なことは、真っ赤に焼けている茶碗を目視のして、どの位解けているかを確認する目の判断が大事なのです。