楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

『サンマ二匹で楽茶碗の焼きの疑似体験を!』

皆さんのご自宅には台所にレンジはありますね!

当然魚を焼くグリルは付いていますよね?

IHの方は無理ですが、解凍サンマを二匹買って来て、焼きの練習が出来ます。

二匹一度に焼くのではなく、まず、一匹をグリルの最高の強火で焼いてください。

焦げ目がしっかり付いたら、同じ様に裏面も焼いてください。

それで焼けたら終了してサンマをグリルから出して皿に。

見た目はどうですか?しっかり中まで火が通っていますか?

その確認が終わったら、今度は残りの一匹をまず弱火でサンマの両面の水分を飛ばしてから中火で焼いてください。

中火でキープして、キツネ色に焼けて多少焦げ目が付いたら、裏も同じ様に中火で焼いてください。

裏もキツネ色となり、多少の焦げ目がついたら焼きは終了して皿に。

さあ、2つの皿に乗るサンマを見比べてください。

どうですか?実行するまでもなく、分かりますか?

頭では分かりますよね!

でも、私はあえて実行を進めます。

何故なら、中火で焼くことは焼いている行動に辛抱が必要なのです。

この辛抱はとても楽茶碗の焼きには必要なこととなります。

どうしても早く焼きたいのが人の人情と言うものなのです。

ですから、実際には炭を多く窯に補給したり、また黒楽の焼成に於いては、フイゴで吹き過ぎたりしてしまうのです。

そうなると温度が上がりすぎて、サンマと同じように良い焼き上がりとはなりません。

焼きは全てが温度だけではないのです。
かけるカロリーの問題なのです。

如何にじっくりカロリーをかけていくか!これこそが焼きのテクニックになるのです。

そこには先程話した「辛抱」が必要となるんです!

何回も話していますが、昔は窯が悪くて(テクニックが無くて)みたいに、温度が上がらなかったみたいな話が横行しています。

どうしても現代人は温度だけに着目しがちになってしまいます。

でも、温度だけではなく、カロリーを如何にじっくりかけていくか!ここがポイントとなるんです。

例で上げれば、黒楽の釉薬である加茂川石は1100度位でとけますが、1000度をキープしながら、その先はカロリーを与えて完成させるイメージだと思ってください。

たかが解凍サンマでも、焼きの疑似体験は出来ますので、是非やってみてくださいね!

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