楽家三代の道入はショパンかな?
今日は楽家三代の道入の話をしたいと思います。
まず道入のことでの大一番は、サヤに入れての焼成が上げられます。
長次郎作品には直火で焼いたと見られる作品が多いのですが、道入になると明らかにサヤでの焼成となります。
その根拠は、茶碗全体が同じように溶けているからです。
また、サヤと言っても穴あきサヤではない可能性があります。
オヤジの実験に於いても、穴がないサヤでの黒楽は綺麗に上がります。
次に上げられる特徴は、サヤにより茶碗全体が綺麗に溶けるために、味わいが釉薬に無くなる欠点が生じたように思われます。
なので、道入の黒楽に於いての調合は見事としか言い様がなく、いろいろな加茂川石釉の調合をしています。
長次郎作品に於いてもいろいろなことをしていますが、長次郎作品の場合は、各種の調合の違う釉薬を重ねたり、塗り分けたりしてあるのに対し、道入は釉薬自体が異なると言う感じです。
更に、黄ハゲやジャカツ釉を重ねて表情を造るなどしています。
最後に上げなくてはならないことは、茶碗の素地自体の厚さです。
茶碗の腰から口縁部にかけては、1ミリもありません!
黒楽釉があっても厚さが1.5ミリの世界かんです。
ですから相当薄い素地となります。
道入は女性好みと言われますが、なかなか奥は深く、音楽で表せばショパンのような感じかもしれません!