楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗のヒビの是非。

楽茶碗のヒビには賛否両論あります。

今回の写した本歌茶碗(本物茶碗)にもヒビは入っていました。

しかし、この茶碗のヒビは乾燥時か素焼き後に入ったヒビであり、それを良しとして焼いた節があります。

何故なら、ヒビに釉薬が入っているからです。

焼きによってのヒビには釉薬が入り込みません。

作者は、ヒビもまた良しとして作品にしたことと思います。

一般に売り物の茶碗は、現代に於いてはヒビは不良品となります。

しかし、元来日本の伝統では、完品は次ぎは壊れるという観念から、わざとヒビを良しとしたり、また備前の旅枕(30~40センチ位の高さの筒型の花入)などの口縁部分をわざと叩いて欠けさせている作品もあるのです。

また、光悦の作品などは、これまたわざとヒビを活かしている作品も多々あります。

ですから、単にヒビとは見ず、是のヒビか非のヒビかを観察してほしいと思います。

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