楽茶碗の焼成に使用するサヤについて
楽茶碗の焼成に使うサヤについて説明します。
サヤは別名「内窯」とも言います。内窯と言うには、当然外窯もあります。
この内窯と外窯がセットになって楽窯なのです。
外窯と内窯(サヤ)の間は大体決まった指3~4本位の隙間があり、そこに炭が入ります。
ただし、現代では内窯と言えばサヤを指しますが、昔は内窯と言うと「楽窯」と言う意味だと言うことも覚えておいてください。
ですので内窯釉との表現があったとすると、これは低温釉と言う意味になります。
さて、この内窯となるサヤですが、直径15~18センチ位の円筒形の素焼きで出来ている入れ物です。
器体の厚さは約1センチ位のものです。
高さは、中にトチを入れますので、焼成する茶碗の高さ+トチの高さ、そして余裕として3~5センチ加算した高さです。
またサヤには蓋も作ります。蓋は平らな蓋だと、耐久性がなく直ぐに割れてしまいますので、凸面状の蓋が適しています。
サヤはこのような形状ですが、赤楽用と黒楽用では外見が異なります。
赤楽用のサヤは側面に火が回るように直径2~3センチ位の穴を無数に開けます。
黒楽用のサヤは穴無きと、鉛筆の直径位の穴が無数に開いたサヤの二種類を使用します。
この二種類の使い分けは、焼く作品により使い分けをします。
直接に火炎を作品に当てない焼き方をする作品には、穴なしサヤを使用します。
また反対に火炎を作品に当てて表情を出す場合には、穴ありサヤを使用します。
何となくサヤについては理解出来ましたか?