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楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

ご自宅で生徒さんが光悦の「時雨」を作って来た

作品の授業で、新しく入会された方が、自宅で光悦の黒楽茶碗「時雨(しぐれ)」を作られ持って来られました。

まだ、楽茶碗のことはお教えしていない段階ですが、自分なりに試行錯誤して作られて来たのです。

授業では違う課題がありましたので、その作られた時雨は次回に説明となりましたが、本人の熱意を感じました。

この光悦の時雨ですが、同じ光悦の「雨曇」とは技法から言えば兄弟茶碗です。

ただ、時雨の釉薬を剥がしている茶碗の上部は、意図的かどうかは分かりませんが、還元が強すぎて、茶色とはならずに黒一色となっています。

皆さんはこの時雨の茶碗の正面に当たる部分にひびがありますが、これは自然に入ったものか、または意図的なものなのか分かりますか ?

正解は意図的なひびなんです。

光悦の茶碗にはよくひびが入っている茶碗がありますが、そのひびの全部が意図的とまでは言いませんが、ある程度は意図的なひびなんです。

この時雨の正面のひびですが、この茶碗でお茶を飲むことを考えてください。

このひびは「手なり」のどの場所になりますか ?

左手の親指の位置となりませんか !

そうなんです。左手の親指の指の手ががりなんです。

この茶碗のような円形を基本とした造形では、その手がかりがないと、茶碗が手の中で滑り安定感が無くては不安感がおこります。

それを無くすために、茶碗の各所に滑らないように手がかりを作るんです。

でも、如何にも手がかりだったら芸がありませんよね !

なので光悦は、その手がかりでさえ茶碗の表情として作り上げているのです。

ですから、単に自然に入ったひびではないのです。

良くひびの走りを見て欲しいのですが、自然に入ったひびはこのようなひびの走り方はしません。もっと単純なひびの走りとなります。

光悦の茶碗には各所に相当な時間をかけて製作されています。

土の柔らかい時に作られる造形。土がある程度固くなり、その固さで作られている表情。

そこが光悦の茶碗の写しの大変などころなのです。

光悦の茶碗が大好きな方も多いですよね !

写しを作りたい方も大勢いらっしゃることと思います。

そんな方々は、ただ漠然と光悦の茶碗の形のみ追うのではなく、なんでここはこのようなことになっているんだ ? と言う疑問を抱きながら製作してください。

そう考えながら製作していると、だんだんその意味が分かって来て、より光悦らしい茶碗になって行きます。

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