今日は久々に蹴ロクロを指導しました。
久々に今日は「蹴ロクロ」を生徒さんに教えました。
名の通りに「蹴ロクロ」とは、ロクロの動力が電動ではなく、自分の足でロクロを蹴って回すロクロのことです。
一番の特徴は、人力です。
でも、現代なのに何故面倒な人力の蹴ロクロを使うかご存じですか ?
電動ロクロの方がペダルの踏み込み量により、回転を遅くも早くもでき、また土殺しも楽です。
なんの利点も無く、ただの陶芸の骨董的な過去の遺物に思える蹴ロクロですが、実は利点がたくさんあります。
まず、回転を無駄にしなくなります。当たり前ですよね ! 自分で蹴ってロクロを回すのですから、なるべく止まって欲しくないために、無理に抵抗を大きくして引かなくなるんです。
まだ、電動ロクロのようにロクロの回りにドベ受けがないため、水引きの水を最小限にして引く癖がつきます。
ここからが本当の蹴ロクロの利点となりますが、この蹴ロクロは当然蹴った慣性力で回っていますから、段々に回転は遅くなりますよね !
なので、その回転が収まるまでに、口縁部まで引き終わる癖がつくのです。
そして何より、変化する回転に対して、回転に対する引いている指使いが繊細となってきます。
元々、電動ロクロは量産に向いているロクロなんです。勿論量産でなく個別に大きな器や壷を引くには、電動という利点を最大限に活かせる利点はあります。
ただ、小物の作品に於いては、やはり蹴ロクロや手回しロクロでのロクロ引きの方が味わいが出てくるのです。
反対に電動ロクロで同じような作品を引いても、やはり何か冷たいと言うか、味わいの無い、また少ない作品が出来る割合が高いような気がします。
ただ、これも蹴ロクロをしっかり自分のものとすれば、電動ロクロであろうとも、同じように引くことは可能です。
後の違いは蹴ロクロはモーターもないのでほぼ無音ですが、電動ロクロはモーターの多少の唸り音は夜に一人で使うと、やはり音が気になりますね !
後は電動ロクロは内部のベルトの調整が必要です。
新しいうちは全く問題ありませんが、何年も使用していると、やはりベルトのテンションの調整は必要となります。
調度車のファンベルトの調整と同じような感じです。