楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

京都の龍安寺、銀閣寺の石庭の砂

京都の石庭で有名な龍安寺、そして同じく銀閣寺。

これらの石庭はとても綺麗ですね !


この美しい石庭に使っている白い石は何と言う石かご存じですか ?

この細かい白い石は「白川砂」と言います。京都の白川で採取される砂なのですが、今は採取は禁止です。

この白川砂は、実は花崗岩なのです。花崗岩は別名御影石とも言います。

国会議事堂やお墓の白い石がその花崗岩(御影石)です。

国会議事堂の御影石はピンク御影と言い、広島県倉橋島が産地で少し名の通りにピンクかかっています。

ちょっと話は脱線しますが、この御影石は長石、ケイ石、黒雲母の各石が結晶して固まって出来ています。

この石は火成岩なのです。火成岩とは火山で出来た岩のことですよね !


なので肉眼で長石は白かピンク色、ケイ石は灰色、黒雲母は黒と見えます。

各岩石が結晶していると言うことは、ゆっくり冷えて固まった岩なんです。

岩も人間と同じで、急に固まると同じ岩石が集まる時間が無いためにバラバラと分散していますが、ゆっくり固まる時間があると、岩石の仲間同士が集まります。

それが結晶なんです。なので肉眼で見えるようになるんです。

ゆっくり固まったということは、火山の下の方で固まったと言うことです。

実は花崗岩とは火山のマグマが冷えて固まったものなのです。

それが長年の風化により、火山の山が失われ、マグマ(花崗岩)だったものが地表に露出し、結晶化しているので昼夕の温度差により、膨脹率が異なるために、より風化が進みパラバラとなるのです。

その成りの果てが粘土になるのですが、その話はいつかするとして、そのバラバラになった砂が白川砂なのです。

白川砂は中に含まれる長石が真っ白。
そして、その反射率が雪と一緒なんです。

龍安寺の襖は今現存している襖は渋い襖の方が残っていますが、実は金箔の派手な襖も当時はあったのです。

数年前にその派手な襖が外国で現存していたとのニュースがあったのを覚えている方もいらっしゃると思います。

夜の龍安寺。月明かりに石庭が照らされ、雪の反射率と同じ白川砂により龍安寺の室内が照らされ、金箔に彩られた襖が見事に写し出されることを想像して見てください。

その当時の美的センスは凄いですよね !

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