楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

楽茶碗の景色たる「五山」

楽茶碗の形には、必ず「五山」、「五峰」、「五岳」などの説明がありますよね!どの言葉も全く同じ意味何ですが、茶碗の口縁部分の上がったり下がったりするあの場所のことです。言葉としては私も知っていますが、あえてこの言葉は使いません。なぜって?必…

楽茶碗製作は男女の差は全く無し!

楽茶碗の製作に於いては、男女の差は一切ありません。技術は勉強すれば、また体験すれば身に付くものです。私が考えるには、元々男女の差は身体の差はあれど、その他は大して無いように思います。かねてからそのような考えは有りましたが、去年あるテレビ番…

楽茶碗 昔の書物である「楽焼秘嚢」の面白さ

昨日、YouTubeに江戸時代に書かれた楽焼の技法書である「楽焼秘嚢(らくやきひのう)の動画をアップしました。 この「楽焼秘嚢」は享保19年(1734)及び元文元年(1736)年に発行されたと思います。 上下巻に分かれており、上巻は私が再現した江戸の楽窯の資料に…

楽茶碗の焼きは「焼き魚」と同じ

「楽茶碗を焼く時の温度はどの位ですか?」なんてよく質問されますが、分かりません!「エーッ!」なんて言う返答を受けますが、本当に厳密には分かりません!火の色味で大体は分かりますよ!赤楽は700度後半~900度前半位で、黒楽は1100度位です。大体です…

楽茶碗とエナジードリンク「Monster」

エナジードリンクは皆さん飲んでいますか?私は、Monsterのグリーン缶の愛用者なんです。楽茶碗を焼く時は、いつも飲んでいるんです。特に今の季節のような夏場は必ずです。このMonsterを飲むきっかけになったのは、YouTubeにアップされていた動画でした。そ…

赤楽釉の一味ですよ!

赤楽と「軽石」。両者の間には全く共通性は無いみたいに感じますが、実は「軽石」は赤楽釉薬に使う時も有るんです。「軽石」とは、火山で出来るあの「軽石」です。一昔前は浴室に有りましたよね?カカトなどの角質を取るためのあの軽い石鹸大の石です。赤楽…

楽茶碗の土に関して思うこと!

陶芸の世界では、長次郎や常慶などの作品は聚楽土作られていると言うのが一般的な説明です。秀吉の聚楽第あたりから採取されたことにより、聚楽土と言われています。その聚楽土ですが、大体の陶芸誌では「ねっとりした」と言う表現が用いられていますが、果…

楽茶碗とは全く関係ないこと。「ついにUMF JAPANが開催されます!」

今回は楽茶碗と全く趣を別にして、今たまたまPCを立ち上げたら今まで夢だったUMFが今年の9月27日(土)、28日(日)にお台場の特設会場で開催されるということを知りました。 UMFとはマイアミをホームタウンとして世界で開催される ミュージック フェス…

楽茶碗の製作工程を知り、新たな発見を!

楽茶碗の製作で一番難しい所ば、何処だと思いますか?形を作ること?違います。答えは釉薬の調合と釉薬がけ、また最後の焼成なんです!茶碗の形は誰でも茶碗の写真をたくさん見れば、なんとなく形は出来てしまいます。しかし、釉薬の調合、釉薬がけの仕方、…

別の「余情残心」を味わった。不思議な体験!

「余情残心」と言う言葉は、茶道で使われる言葉ですよね!私は変ですが、茶碗を製作しているのに茶道は苦手なんです!そんな私ですが、ある日別の意味合いで「余情残心」を味わいました。そもそも、「余情残心」とは、お客様が帰った後に、残った湯で茶をた…

粘土はどの様に出来るのか?知ってますか?

粘土は誰でも知っています。でも、粘土はどのようにして出来るかは知らないですよね!実は、粘土は火山と関係があるんですよ。火山は生きている時は、噴火をしますね。火山が噴火をすると、噴煙を上げたり、溶岩が流れたり、火山灰が降ったりします。そして…

楽茶碗 黒楽茶碗の釉がけはこんな感じです!

昨日、黒楽茶碗の釉がけ動画をYouTubeにアップしました。 釉薬は京都の加茂川で採取される加茂川石と言う石を細かく砕いて粉にして白粉や玉を調合して黒楽釉薬を作ります。 動画では黒楽釉にふのりを入れるシーンから始まります。始めは茶碗の内側から施釉(…

楽茶碗を語る上での「オッカムの剃刀」

楽茶碗のいろいろな説明には、ある過去の記事や説明が、まるで真実のように語り継がれることが多々あります。○赤楽は脆いので現存する赤楽は少ない。 ○秀吉は派手好きだったので黒楽は嫌いだった。 ○本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)は素人だったので作品に「ヒ…

ヒビの「美」の第二段!手前味噌ですがどちらがお好き!

昨日のブログで楽茶碗のヒビの「美」についてお話しましたが、話の内容だけではピンと来ませんよね!まして今まで予備知識も無くて、急に楽茶碗のヒビは「美」につながることもある何て言われてもねぇ~! おっしゃる通りです!そこであれからいろいろ考えま…

誰でも焼ける楽茶碗です!

楽茶碗は誰でも作ることが出来るんですよ。「エェー?」なんて声が聞こえてきそうですが、本当です。でも、それを可能にする条件は確かにあります。楽茶碗を作る粘土と道具、そして作品を焼く窯があればの話ですけど。「なぁーんだ!」と力抜けしました?こ…

楽茶碗の「割れ」の「美」

名品の楽茶碗に「割れ」を活かしている作者が二人います。本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)と上田宗箇(うえだそうこ)です。それらの作品は、現代の感覚からすれば不良品となるでしょうが、共に茶碗の「割れ」を「美」として表現しています。世間では、偶然…

楽茶碗 長次郎の黒楽と赤楽

楽茶碗の祖師と言われる「長次郎」は皆さんはご存知かと思います。利休が瓦職人の長次郎に茶碗を焼かせたのが始まりだと言われています。江戸時代に活躍した尾形乾山(おがたけんざん)が書いた「陶工必用」と言う書物には「長次郎」ではなく、「朝次郎」と記…

楽茶碗の赤楽と黒楽

前の書き込みで上げた各色の楽茶碗。お話したように赤楽茶碗と黒楽茶碗が有名ですが、茶碗を製作するときには赤楽茶碗のほうが手間がかかります。 茶碗の高台を作り上げ、黒楽茶碗はそこから製作した茶碗の乾燥工程に入りますが、赤楽茶碗はそうはいきません…

楽茶碗の色と四神思想の妄想?

普段馴染みの薄い楽茶碗。だから、茶碗の見方、どの様に作るのか?など分からないことだらけだと思います。逆に私は楽茶碗の何処が知りたいのか?が分からなくなるんです。日頃楽茶碗にいろいろ接し過ぎて分からなくなってしまうんです。楽茶碗は利休の時代…

超アナログな製作の世界とデジタルの世界の狭間

昨夜からYouTubeにアップするための動画編集をしていたのですが、pcのパワー不足で断念。今まで楽茶碗のいろいろな動画をその時折の写真で作り上げていたのですが、今回は黒楽茶碗の「釉がけ」の筆の使い方や筆の運びなどを見てもらおうと考えていたんです。…

楽茶碗や茶碗をオークションでゲットするポイント!

ヤフオクなどのオークションで、楽茶碗は多数出品されていますね!現代物や古い茶碗もあります。今回は、茶碗の製作者からの目で見たオークションでの茶碗の選び方を書いてみようと思います。○出品タイトルは参考までに○作品の写真が少ない出品茶碗は避ける○…

「還元」と「酸化」ってなんだ!

「還元」と「酸化」と言葉は良く聞くけど、何か理解出来るような出来ないような感じではないでしょうか?この「還元」と「酸化」と言う言葉は、陶芸においては良く使う言葉です。簡単に言えば、焼成する時に窯の中に酸素がたくさんあるか無いかと言うことな…

天然の鉄サビ!鬼板という鉄絵の原料のお話です。

陶芸の鉄絵に使う材料で「鬼板」と言うものがありあます。織部や志野、そして唐津の絵などは全て「鬼板」という岩石を使うのです。市販されている「鬼板」は微細な粉になっていますが、元々は褐鉄鉱(かってっこう)という岩石の一種で天然のさび鉄と言った…

登窯と比べるとおもちゃみたい!こんなに小さい楽窯!

登り窯は皆さんご存知だと思いますが、楽茶碗を焼く楽窯は余り馴染みがないと思います。初めて見る人は「何だ、これ!」と感じる位に小さい窯なんです。黒楽を焼く楽窯の大きさは、直径が約30センチで、高さが50センチ位。赤楽を焼く赤楽窯は多少大きく、直…

楽茶碗ー黒楽焼成で壊れたPC!当たり前ですよね!

毎日暑い日が続きます。場所によっては大雨により災害が発生し、日本も昔と変わり亜熱帯地域みたいですね! 暑いと言えば、暑さの字が異なり「熱い」ですが、江戸時代の古文書に記載されている楽窯を少し前に再現して、その窯で黒楽を焼成してみたんですよ。…

江戸時代の赤楽向付にみる日本文化

今日は江戸時代の向付について書いてみようと思います。向付とは懐石料理などで膳の上に器が置いてありますよね!手前にご飯と汁椀があり、その奥におかずの器があります。そのおかずを盛る器は向こう側にあることから「向付」と言われます。 元来、器自体が…

楽茶碗ではないですが、西洋のマイセンにも日本の美が生きているんです!

楽茶碗が専門の私ですが、西洋磁器であるマイセンの動画をYouTubeにアップしました。 西洋の美は左右対称の美であるシンメトリーを基本としていますが、マイセンにおいては日本の美であるアイシンメトリー(非対称)の美を今でも引き継いでいるデザインが存…

ブログ初回挨拶

私は楽茶碗を製作していますが、毎日茶碗を製作していると茶碗を見たくなくなることがあります。勝手なもので焼き上がりが良いと楽しくなり、逆に何回焼成しても思うようには焼けない時があり、そんな時は茶碗が大嫌いになります。 そんな日々を送りながら製…

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