楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

困った、困った、説明に !

先日の授業中、とても困ったことが起こりました。楽茶碗の説明時だったか定かではありませんが、楽茶碗の焼成完了時に茶碗を挟んで引き出す時に使う火挟みの説明で、その火挟みを作る炉である「ホト(ホド)」の説明した時です。「先生 !ホトとはどういう意味…

前回題材にした生徒さんの擂り鉢作品です。

先日のブログで備前の擂り鉢を題材にして、各時代の形状の違いを授業にてしているとお話ししたと思います。以前に教えた女性の生徒さんの作品です。今回の擂り鉢の件で普段に使用している作品をお借りして撮影した次第です。この形状は、備前擂り鉢の室町後…

錦窯と内窯について

色絵を焼く錦窯と言う窯があります。 色絵と言っても、この場合は下絵の色絵ではなく、上絵の色絵を指す窯です。なので、低温釉の色絵となります。 具体的には、乾山の色絵陶器などです。一例ですが、本焼きした作品に色彩をより豊かにするために、各色の低…

嬉しい入会者です。

今、再来週から入会される方からメールを受信しました。作りたい楽茶碗、そしてその技法や各作者の茶碗の違いを勉強したいとのご希望です。明確に自分が勉強したいことがある。これはとても私にとって嬉しいことです。私は今までいろんな茶碗を焼いて来まし…

赤楽茶碗の発色について

赤楽茶碗の発色について説明します。赤楽茶碗の発色は大きく分けて、土からの発色、そして土に黄土や含鉄土石などの鉄分を含んだものを化粧してその化粧土による発色があります。例えば、光悦で人気のある赤楽茶碗の「乙御前(おとこぜ)」は土からの発色です…

今の日本に思うこと

我がニッポン。先日の統計で人口が約94万人減ったということ。1920年以来初めてだそうです。要は産まれてくる子供より、亡くなる方々が多いと言う現象です。これは何年前から分かっていたことなのに、保育園の待機児童は一向に減らなく、働いて安心して子供…

楽茶碗の焼成に使用するサヤについて

楽茶碗の焼成に使うサヤについて説明します。サヤは別名「内窯」とも言います。内窯と言うには、当然外窯もあります。この内窯と外窯がセットになって楽窯なのです。外窯と内窯(サヤ)の間は大体決まった指3~4本位の隙間があり、そこに炭が入ります。ただし…

昔の楽茶碗を焼くには

昔の楽茶碗を作るには、現代の陶芸の知識は必要ありません。何故なら、現代の陶芸が最高なら、既に長次郎等の作品が寸分違わず再現されているはずです。それが出来ていないと言うことは、現代こ陶芸知識とは全く別の角度からの視野や視点、そして別の知識が…

自己満足の見えない実用品ビブラムソール

ビブラムソールってご存じですか? 要は靴底のゴムメーカー。イタリアのVibram社が作るソールなんですが、世界で一番の靴底と言っても過言ではありません。ですから、どんな靴のメーカーでも、このビブラムソールが付いていたら、しっかりした靴だとも言えま…

何故備前の擂り鉢を学ぶか?

備前の擂り鉢が何故勉強の題材に良いかを話します。まず、簡単に製作出来ます。次には、この擂り鉢は平安、鎌倉、室町、桃山、江戸と雑器ですので、各時代毎に製作されており、時代文化の影響を受け、形が異なっています。その異なりにいろんな細かい技法が…

何でも勉強です。

今日の授業は先程終了。 先週の授業で作り上げた備前の擂り鉢の高台削りの勉強。松刃刀での腰削りと平線カキベラでの二種類での道具を使い、道具の違いを学んでもらいました。底は「アバタ高台」。備前の桃山時代以前の高台です。それが終わると、簡易写真ス…

黒楽茶碗の釉調のプロになろう!

黒楽茶碗の釉調のプロになりませんか?プロになるのは簡単です。まず、基本的なことですが、茶碗が焼けなければなりません。すみませんが、そこからの話となります。まず、加茂川石と白玉(フリット)の割合を100対10、100対20、100対30、100対40、100対50の黒…

楽茶碗の焼成時の炭について

楽茶碗の焼成に使用する炭について説明します。楽窯でのサヤ焚きの場合は、一番無難な炭は備長炭です。ただ注意が必要な事は、今は備長炭は一般名であり、白炭は全て元の材質に関わらず備長炭と表記しています。白炭とは高温で木材を焼いてから一気に真っ赤…

楽茶碗の寺子屋にようこそ!

今日、先日私のYouTube等を見られた女性の見学者からご連絡をいただき、来週から楽茶碗の勉強をされることとなりました。立て続けに楽茶碗のことでの入会者がお二人となりました。私も楽茶碗について知っていること、現実に焼いて学んで来たことなど全て学ん…

楽三代の道入(のんこう)の凄さは

楽家三代の道入(のんこう)の凄さは、なんと言っても、今までの焼きと異なる焼きをしたことです。その焼きとは、サヤを使用して作品を焼いていることにつきます。それ以前の焼き方では、サヤを使用している焼き方ではない感じですが、三代となり、京都押小路…

このサングラスをかけている主人公のドラマ

今日は楽茶碗とは全く関係ない自分の話。このサングラスは私のお気に入りです。 何処かで見たことある人もいるかな?とにかく軽くて掛けやすいサングラスです。色がフレームが金色でブラウンなので日本人には見向きもされないサングラスですけど。このサング…

長次郎と常慶の茶碗について

楽初代の長次郎と二代と言われている常慶の焼きに着目すると、これらさ兄弟焼きです。兄弟焼きと言うと変かな? 要は同じ焼き方です。ただ常慶が長次郎と異なる点は、表現方法です。白楽(香炉薬)、茶碗の土見せだろうと思います。また、利休の次の茶頭の織部…

宗入の黒楽茶碗の技法について

先日見学に来られた女性が楽茶碗の五代「宗入」の作品がお好きだと言うことで、今日は私なりの宗入の焼きについてお話しします。宗入の黒楽茶碗の釉調は、漆黒で長次郎のカセ肌とは趣が全く異なることはお分かりだと思います。詳しく解説すると、宗入の黒楽…

黒楽に於ける鉛白と白玉の関係

黒楽茶碗における鉛白と白玉についてお話ししたいと思います。鉛白は「白粉」とか「定粉」とも言います。また、白玉は「玉」とも言います。今ではフリットですね!さて、黒楽茶碗は加茂川石に、この二つの原料のどちらかか、両方を加えて黒楽釉とします。鉛白…

フイゴ無くして黒楽なし

今夜の予定では、縄文土器若しくは楽茶碗に古式の萩釉薬の試験焼成を予定していましたが、相棒が製作したフイゴのクリアランスが悪いため、その調整で時間を取られたため、次回となりました。でも、焼こうとしていた縄文土器の破片はこんな感じです。(下の写…

陶芸に遊び心は大事です!

今日の夕方の授業で、古式の萩焼の釉薬調合での試験焼成を予定しています。試験焼成の作品は楽茶碗の素焼き作品にするか、はたまた前に自分で掘った縄文中期(6000年前)の縄文土器の破片に施釉して焼くかのどちらかを考えているんです。楽茶碗で萩の古式釉薬…

分かりにくい楽茶碗を何時かは分かりやすく

今日は何か一日バタバタしていて、頼まれ事もあり、やっと深夜0時を過ぎて自分の時間です。先日も遊び心で3Dアニメーションをトライしたら、レダリングと言うらしい書き出しに21時間。さすがのこのオヤジも想像時間を超えました。時間がかかるものなんです…

今日の見学者に思う

今日は朝から茶道の社中の方々の盆石の講義。でも、楽茶碗の内容ではないので、一緒に仕事をしている女性が担当し、楽しい授業を行っていました。講義も無事終了し、早めに帰宅しようとしていた矢先に、女性の見学者が来られました。話を聞くと、現在楽茶碗…

各年代の文化を学ぶ

今日、新しい方が入会されました。先日の楽茶碗に興味があり、これから挑戦したい方です。でも、今日の授業では皆さん一緒に備前の擂り鉢の製作。その擂り鉢も平安時代の形、室町中期の形、そして桃山から江戸初期の形を作ってもらいました。擂り鉢なんか皆…

たまにはアベ マリアはいかが?

アベ マリアと言う曲は皆さん知っていますよね!シューベルトやカッチィーニなどのアベ マリアがありますが、どれもオバチャンが歌っているのが普通です。オバチャンが歌うのが悪い訳ではありませんが、若い人はなかなか見ません。でも、このYouTubeの動画の…

形だけでは出来ない楽茶碗

今日は超寝不足のオヤジです。 原因は一昨日の3Dアニメーションを遊び心でトライしたこと。i5のノートPCでトライしたのが甘かった!書き出しのレンダリングになんと20時間もかかってしまいました。デフォルトでは1秒間で24フレームのはずが、何故か30フレーム…

たまにはベートーベンになりきりませんか?

ベートーベンはお好きですか?冒頭から突拍子も無い質問ですが、ベートーベンと言えば年末の第9、そしてあのジャジャジャジャ~ンの運命が思い付きますね!私は小さい頃、父親の影響もあり、何故かベートーベンが好きだったんですが、大人になってからはモーツ…

動画の技術力を付けなければ!

先日、久々にYouTubeの動画をアップしましたが、前々回の動画アップから、はや9ヶ月経っていました。今回の「一節切」の動画制作で思いましたが、久々だと編集の感も衰え、時間ばかり費やしてしまいました。また、YouTubeの動画の世界は本当に日進月歩でア…

やきもののルネッサンスに挑戦者求む

やきもののルネッサンスと言えば、それは有無を言わさず桃山時代から江戸初期となるでしょう。ご存じの様に、今までの焼締陶器から一気に色彩の開花となりました。瀬戸黒、黒織部、黒楽などの黒。 赤楽の赤。 織部の青。 志野の白。 黄瀬戸の黄。物の見事に…

楽茶碗の挑戦者、お待ちしています。

今日は楽茶碗についてご自分で加茂川石から砕いて楽茶碗を作ってみたいとのご希望の方からご連絡をいただきました。相棒の陶芸のサイトからの紹介で、私のYouTubeの動画を見てご連絡をいただきました。ご年配の方ですが、自分で茶碗を作ってみたいという好奇…

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