江戸時代の赤楽向付にみる日本文化
今日は江戸時代の向付について書いてみようと思います。向付とは懐石料理などで膳の上に器が置いてありますよね!手前にご飯と汁椀があり、その奥におかずの器があります。そのおかずを盛る器は向こう側にあることから「向付」と言われます。
元来、器自体が「付」と言われていました。ですから言い換えれば膳の手前に「付」が二つ、奥に一つの「付」があることになります。
話は少しずれますが、平安時代には器は「付」と呼ばれ、時代が下がるにつれて、「御付」となり、また時代が下がり「御々付」となり、最後には「御々御付」となりました。
「御々御付」とは「おみおつけ」ですね!日本語は同じ字が重なる場合は読み方を変えるんです。
本題に入りますが、下記動画の江戸時代の赤楽向付はよくよく観察すると、左右非対称の形状です。現代の器は西洋のようにシンメトリーですが、日本の文化は非対称の文化ですので、その時代の文化が良く表れている作品です。
動画内の解説にもありますが、使いやすいように向かって右側の間口は広くしてあります。また器の手前は圧迫感を無くすために低く作り、奥は少し高めに製作してあります。
陶器の昔のものを見る場合にはそんなことも観察すると、日本文化が少し見えてきませんか?