赤楽と黒楽茶碗の焼き方
赤楽も黒楽も、焼きは焦ってはいけません!ジワジワが基本です。
しかし、実際には楽茶碗を焼く窯は、各自異なり、火力が強い窯もある様です。火力が強い窯を使っている方は、ジワジワ焼ける様に火力を調整してください。
昔ながらの楽窯を使う場合は、外窯と内窯の間が指二本〜三本分ですから、その間隔であれば問題はありません。
さて本題ですが、赤楽の焼きに関しては、前述の外窯と内窯の間隔が合っていれば、火力は適正になるので、良いですが、フイゴを使う黒楽は辛抱が必要になります。
何故なら、フイゴをはシンドイ作業なので、疲れて来ると段々とフイゴを吹くスピードが必然的にアップしてしまうのです。
「早く終わらせたい」と言う心理が働いてくるんですね!
この心理が作品に影響を及ぼします。ジワッとした焼き上がりにならないんです。わかり易く言えば「デカっー」と言う感じ。
加茂川石の釉の手触りが固く感じる茶碗となります。
だから、「焦らず!」。これが鉄則です。
しっかり焼成中の茶碗の色味を確認し、これでオーケーとなったら、内窯の蓋を開けて、茶碗の温度を一気に下げて、火鋏で取り出します。取出しを早めにすると、鋏跡が付きますので注意してください!赤楽は鋏跡は要りません。
逆に黒楽に鋏跡は必要です。内窯の蓋を開けたら、間髪入れずに火鋏でしっかり茶碗を掴んで窯から引き出して、茶碗がオレンジ色になったら、一気に水の中に入れ急冷します。