楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗の飲み口の場所と飲み口の形状

皆さんは楽茶碗の飲み口の場所はご存知ですか?野暮な質問かもしれませんが、あえて質問させていただきます。

 

茶道をされている方には愚問ですね!

 

しかし、茶碗をいろいろ製作していると、面白いことに気づく時があるんです。

 

通常、茶碗を正面に見て、そのまま真上から茶碗を見ると、正面は時計で言えば6時の方向ですね!

 

そうなると茶碗の飲み口は3時の位置に普通はなります。

 

しかし、そうとは言えない茶碗もあるんですよ。その代表格が光悦の茶碗です。長次郎作の茶碗にも当てはまる時があります。

 

茶碗の飲み口が普通は3時と言いましたが、4時の位置にあるんです。

 

初めて気がついた時はなんでだろうと思っていましたが、元来茶碗の飲み口は正面の真横とは誰も決めていないと思います。

 

ましてもう少し考えを進めると、お茶をいただく時に2回茶碗を回しますね!その動かす距離ですが、決まっている訳ではないでしょ?

 

茶碗を回す意味は正面を避けると言うことは理解出来ますが、回す距離はどうでも良いですよね!

 

なので、光悦などは自分の飲みやすい位置に飲み口を持ってきたような感じがします。

 

また飲み口の幅です。現代の茶碗に於いては、ここが飲み口だよ!と言わんばかりに誰でも分かる飲み口になっていますね!

 

しかし、昔の茶碗の飲み口は分かりにくいというか、ほんの少し飲みやすい口縁にしているだけです。

 

まして、飲み口の幅が今の茶碗より狭く感じます。

 

あくまでも私の感じ方ですが、お茶をいただく時に唇を茶碗の飲み口にしっかり当てるというより、吸うような唇感覚でお茶をいただた感じが形状からしてならないのです。

 

そうでないと茶を飲みにくいんですよ。

 

まだまだ昔の茶碗には分からない部分がたくさんある楽茶碗なんです。

 

民主主義により多数決で楽茶碗の形状が決められれば、形も飲み口の場所も固定されますが、昔の名碗を見る限り、まだまだ飲み口の場所や飲む唇の茶碗への当て方はまだまだ決め手はいけない感じがします。

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