長次郎の無一物は名の通り、ただの赤楽とは別物
長次郎作品の赤楽代表作「無一物」。
この赤楽の難しさは半端では無く、細かい事を話したら切りがないので、江戸時代の赤楽と全く異なる事を書きます。
まずは造形からです。茶碗内側の作りです。
茶碗の内側の側面は中央に境があり、上を茶巾ずり、下を茶筅ずりといいますね!
現代の楽茶碗では、それらの幅はおおよそ、同じ位です。
しかし、無一物は違います!茶巾ずりは上2/3を占めており、茶筅ずりは下1/3しかありません。
次は、釉薬です。通常の赤楽茶碗は黄土を化粧して上薬を施して焼くか、赤土のまま上薬を施して焼きます。
でも、無一物は全く違います!
透明感の無いマットな赤釉を使っており、その上に上釉を重ねています。
このマットな赤釉は今もって分かりません。