楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

光悦はどんな形でも茶碗にしてしまう!

光悦の凄さは、表現したらきりがないですが、私が思う大一番は造形の捉え方です。

造形と言ってしまうと、色紙は入らないので訂正して改めて言うと、美の表現が既成概念にとらわれていないのです。

私の専門の楽茶碗で言うと形です。

今回、私は自分では前代未聞のハート形の楽茶碗を作りました。

光悦はあの時代にいろいろな形の茶碗を作っています。

形のバラエティーは、他の作者の比ではありません。

円い茶碗もあれば、バケツみたいな茶碗もある。そんな形の物体を見事な施釉により茶碗にしている凄さがあるのです。

色紙にしても同様で、絵の上に歌を書いているものもあれば、歌の上に絵を書いている色紙もある。

普通の考えだったら、歌は見えなくなるから、歌の上に絵は書きませんよね!

そして、硯箱にしても、あんなに「モッコリ」です!

硯箱は普通は箱形でしょ!でも光悦はモッコリ硯箱です。

その硯箱も漆塗りだけではなく、鉛の金属まで張り付けています。

既成概念では考えられない位にいろいろなことをしている光悦なんです。

だから、光悦の作品を見る場合は、既成概念だけでは考えてはいけません。

既成概念だけでかんがえたら、黒楽の「七里」はただのバケツ茶碗になってしまいますからね!
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