赤楽に使う黄土の注意点
赤楽に使う黄土は、茶碗の成形が終わり、ある程度乾燥させてから塗りますが、素焼き後に塗ることも出来ます。
しかし、素焼き後はそのまま黄土を塗ってから上薬を塗ると、上薬に食われたり(上薬に黄土が混じってしまうこと)、上薬に黄土が引っ張られてしまい、胎土が露出してしまうこともあります。
一番良い方法は、成形後の乾燥後に黄土を塗ること。
二番目の方法は、黄土に100に対して2割位の白粉を入れ、それを塗り胎土との親和性を良くすること。
そして二番目が上手くいかない時は、二番目に使った黄土と白粉を塗った後に再度素焼きを行い、胎土と黄土を定着させてしまうことです。
そうしても、赤楽の黄土塗りは難しく、焼成後に使用中に胎土と黄土との定着が甘く、釉薬が一部剥がれたりすることもあります。
そのような場合は、黄土と胎土との定着が甘いのか、釉薬の粘着が強すぎて上薬の収縮により剥離するのか原因を突き止める必要があります。
私の経験上では、黒楽は胎土に加茂川石釉でこれでもかと言う感じで施釉しますので、剥離には全く心配は要りませんが、赤楽の黄土塗りはとても繊細ですので、薄く塗れば安全性は高まりますが、胎土がは刷毛目のようになったり、厚く塗れば剥離したりで、とても厄介者なんです。
また、焼き方に関しててすが、温度が高すぎてしまうと、赤から黄色へと色が変化していきます。
その点も注意が必要です。焼き上げた赤楽が黄色であれば、釉薬を弱釉に調整して、もう少し低い温度にて焼ける釉薬を再度調合しなくてはなりません。