「中性炎」と言う炎も忘れないでね!
赤楽の焼成に於て、「酸化炎」は△。「中性炎」も△。「還元炎」はペケ。
では、どのような炎で焼くと良いでしょうか?
「酸化炎」では明るい赤の発色になります。しかし茶碗の全てが明るい赤の発色だと、茶碗として何故か重みが無いというか、趣が軽く見えます。
「中性炎」ではどうでしょうか?「中性炎」とは、字の通り酸化と還元の中間の性質がある炎です。
この「中性炎」では、赤楽は渋い赤色になります。
趣は渋い赤色なので「酸化炎」よりは趣が出ますが、全体の色合いのトーンが落ちますので、爽やかさが少し足りなくなります。
最後の「還元炎」は問題外で、赤色はグレーやウグイス色になってしまいます。
これでは赤楽ではありません。
しかし、茶碗の腰から下を「還元炎」で焼いて、口縁部から腰までを赤色に焼けば、それはそれで見応えある赤楽となる可能性はあります。
結論から言うと、「酸化炎」と「中性炎」を使い、渋さと明るさを如何に赤楽に表現するか?がテクニックなのです。
それが出来るようになったら、今度は茶碗の腰に「還元炎」を使い「差し色」を入れたら良いと思います。
焼成は「酸化炎」と「還元炎」だけを考えるのではなく、茶碗を引き立てるために如何に「中性炎」を使うかにテクニックがあるんですよ!