楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

「中性炎」と言う炎も忘れないでね!

赤楽の焼成に於て、「酸化炎」は△。「中性炎」も△。「還元炎」はペケ。

では、どのような炎で焼くと良いでしょうか?

「酸化炎」では明るい赤の発色になります。しかし茶碗の全てが明るい赤の発色だと、茶碗として何故か重みが無いというか、趣が軽く見えます。

「中性炎」ではどうでしょうか?「中性炎」とは、字の通り酸化と還元の中間の性質がある炎です。

この「中性炎」では、赤楽は渋い赤色になります。

趣は渋い赤色なので「酸化炎」よりは趣が出ますが、全体の色合いのトーンが落ちますので、爽やかさが少し足りなくなります。

最後の「還元炎」は問題外で、赤色はグレーやウグイス色になってしまいます。
これでは赤楽ではありません。

しかし、茶碗の腰から下を「還元炎」で焼いて、口縁部から腰までを赤色に焼けば、それはそれで見応えある赤楽となる可能性はあります。

結論から言うと、「酸化炎」と「中性炎」を使い、渋さと明るさを如何に赤楽に表現するか?がテクニックなのです。

それが出来るようになったら、今度は茶碗の腰に「還元炎」を使い「差し色」を入れたら良いと思います。

焼成は「酸化炎」と「還元炎」だけを考えるのではなく、茶碗を引き立てるために如何に「中性炎」を使うかにテクニックがあるんですよ!

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