楽窯のダンパーなどなど
楽窯にはダンパーはありません。
基本的には、吹き上げです。
でも、実際にはダンパーはあるにはあるんです。
楽窯の上に鉄棒を置いて、その上に瓦を載せて楽窯の上部を覆います。
ですから、ダンパーはないんですが、瓦の載せ方で、燃焼ガスの排出を制御するんです。
還元を強めたい時は、瓦の隙間を無くします。
酸化傾向にしたい時は、開口部分を広げて、ガスの排出を容易にする訳です。
原始的なやり方ですが、楽窯は小さいために、その効果が良く分かり、大きな窯を焚くときにも、理屈が分かるので楽だと思います。
楽家の現在の窯は、現物は見たことはありませんが、紀州か四国産のウバメガシの備長炭を燃料として、サヤの中に作品を入れて蓋を被せ、サヤ(内窯)全体を備長炭で包み焼く方式の窯です。ですから、ダンパーはありません。
強いていえば、サヤ蓋上部の炭がダンパーの役目にできるかな?
この窯の利点は、ムラ無く綺麗に全体が焼けます。しかし、サヤ蓋の上まで、燃焼している備長炭がありますので、茶碗がどのくらい焼けたかを確認するためには、それらの燃焼している炭をどかさなければなりません。
なので、窯の側面には一部壁がある訳です。
フイゴからの送風は地下を通り、楽窯に入っているのでしょう。
なので、構造的には複雑なので、メンテナンスは大変だと思います。
でも、足元は送風のホースもなく、スッキリしているからいいですね!
フイゴから窯までのホースは「つぶり(送風の分配器みたいなもの)」から三本のホースに分かれるので、案外足元はわるいんですよ!
しっかりした靴を履いて!というのは、そんなことも関係しています。