楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

なんで「一楽、二萩、三唐津」?

いつ頃からか、「一楽二萩三唐津」なんて言われていますよね!

意味は茶道に於て、一番の茶碗は「楽茶碗」、二番目は「萩茶碗」、三番目は「唐津茶碗」と言うことです。

この中には、まず唐物茶碗(中国)や高麗茶碗(朝鮮)が入ってはいません。

次に、国内産の茶碗でも、焼き上がりの土味が、柔らかい順番になっています。

そのことの理由つけかもしれませんが、備前の茶碗や信楽の茶碗も同時代に作られてはいますが、数が少なく人気が無かったようです。

何故か?それは、土が焼きしまるほど、熱の伝導率が良くて、「アッチッチ」なんです!

現代で言えば、磁器製の湯飲みは持ったら熱くて湯飲みを持てない経験をしたことありませんか?

まさにそれです!

備前焼も信楽焼も焼きしめ陶器なので、熱伝導が良すぎて、茶碗が熱いんです。

だから、あまり好まれなかったんですね!

そこで、基本的な熱伝導が理解できたら、唐物茶碗も高麗茶碗も焼成温度が高いために、焼きしめ陶器ではないのですが、堅く焼けているため、「堅手(かたで)」と言われ、堅く焼きしまっています。

なので、ランクに上がらず。

ついに、国焼きの「一楽、二萩、三唐津」の出番が来ました。

この三者の中では、一番焼きしまりが甘いのが楽茶碗です。次は萩茶碗(今ものは少し堅いかな!)、最後は勿論唐津となります。

もう、分かりましたよね!

熱伝導の問題が全てではないと思いますが、重大な要素であることは事実です。

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