味わいあって在りすぎると困る小穴
今回は茶碗の立ち上げがから腰作りを終えて高台削りに於ての各作業工程を説明するのではなく、茶碗の形作り以外の話をしたいと思います。
茶碗の立ち上げもある程度慣れてくると、茶碗自体が多少柔らかくても腰作りは出きるようになります。
そこまでの工程では、綺麗にガタガタとした手痕無しまで作り込めます。
そうすると、土の柔らかい感じが茶碗に表れ、とても良いのですが問題が1つあります。
その問題とは、作り込めば作り込むほど
土の目が締まることにより、釉薬の定着が悪くなるのです。皮肉ですよね!
一生懸命に表情を作ろうとして、定着が悪くなるんですから!
その対処法ですが、しっかり作り込んで土の目が締まった場合は、カンナなどで薄皮を剥がすように表面を削ってください。
でも、これだけで終わらしても、また問題が出てしまいます。
薄皮を剥ぐことにより、焼成時に水分が蒸発しやすくなり、そのことにより茶碗に小さな気泡が出た痕跡の穴がたくさん開きます。
この気泡が出た小穴は使用経年により茶が染み込んで茶色くなり、味わいが出るんですが、余りにも小穴があると、茶碗がみすぼらしくなってしまいます。
なので、薄皮を剥いだ後に、水を絞ったスポンジなどで、薄皮を剥いだところをそのスポンジで拭き取る感覚で拭いてください。
このことにより、小穴がある程度塞がり、適度に味わいある小穴はポツリポツリある茶碗が出来上がります。