楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

いろんな窯を見て作って来たんですよ!

今日は私が今まで作った楽窯の話をしようと思います。

現在の窯は既にご存じの通り、「楽焼秘嚢」という古文書に出てくる窯の再現窯を使用しています。

今まではいろんな窯をつくりました。

大阪で発掘された堂島2号窯。
この窯は今も保存されていますが、窯の地下構造には恐れ入りました。

何層にも瓦を敷き詰めてあり、またサヤも使用した簡単な構造ではない窯であり、耐火レンガを使用して復元しました。

この窯は薪が燃料です。

次にトライした窯は、今度は東京の市ヶ谷。

ここは今は防衛省の総本部ですが、昔は紀州徳川家でした。そこでお庭焼きの楽窯が発見され、これも保存されており詳しく観察して再現しました。

炭が燃料の窯で、錦窯に近い窯でした。

双方の窯も利点と欠点があり、また設置場所の問題もあり、今はないですが面白い窯ではありました。

このようにいろんな窯を再現して来ましたが、七輪を改良した楽窯で、その全てが出来ると言ったらびっくりするのではないですか?

実は出来ます。欠点と言えば七輪は珪藻土で作られているために、保温性は最高に良いのですが、耐火性に関しては弱いのが唯一欠点となります。

赤楽茶碗であれば温度も900度位ですから大して傷みませんが、黒楽の焼成においては、1100度位となるために、珪藻土は解けてくるし、また燃焼してしまうした灰が釉薬状のガラスとなり、七輪の下にある吸入口を塞いで行きます。

要は七輪の内側の底がどんどん上がってしまうのです。

ですから、黒楽に於ては焼いても5碗が限界かもしれません。

それでも七輪楽窯は機動性が良く、何処にでも移動出来るし、最高の楽窯です。

あとは、フイゴの吹きで全てが決まるのです。

フイゴの吹きは本当に難しいですが、その微妙なときどきの吹きさえ得とくすれば、50%楽茶碗が出来たも同然です。

簡単でしょ?フイゴの吹きを集中してテクニックを会得すれば焼けるのですから!

いろんな発掘された窯を現実に見て、そして再現して作って来たオヤジがいうのですから、嘘はなく最短なんですよ!

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