楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

上田宗箇の茶碗「さても」

今日はお茶の社中の方に上田宗箇作の「さても」を作ってもらおうと考えています。

この「さても」は戦国武将である上田宗箇の茶碗ですが、宗箇流の茶碗ではダントツに良い茶碗ではないでしょうか!

宗箇らしく、茶碗の外側は「しのぎ」で造り上げ、内面はへらの横削りをして陰陽を表現している茶碗です。

また、茶碗の正面には武将らしく血飛沫を連想するような朱薬らしき釉薬で表情を付け、味わいのある宗箇らしい茶碗なのです。

上田宗箇はご存じのように古田織部と同郷であり、一本槍の名手だったとのこと。

竹の花入にしても、ナタで一振り、二振りしたような豪快な作品が多く、勇猛な武将だったのかもしれません。

さて、話は「さても」に戻りますが、この茶碗の技法である「しのぎ」ですが、必ず削り面は水平でなければなりません。

凸凹していてはいけません!

そして、「しのぎ」と「しのぎ」の面が合わさる稜線は必ず直線!

稜線がグニュグニュしていると、強さが表現出来ません。

この「しのぎ」をスパッと綺麗に削るには、オヤジは菜切り包丁の刃を道具にしています。

スパッと切ることも出来るし、薄くスライスすることも出来る道具となります。

剣先では鉄材が軟らか過ぎて、スパッとは切れないんです。

次に「しのぎ」の技法は茶碗だけではなく、いろんな作品に使える技法ですが、「しのぎ面」の幅を同一にしないことが大事となります。

均等な「しのぎ面」は管理された作品のように見えて、力強さが失われてしまいます。

「しのぎ」が好きな方は、是非この点に注意してくださいね!

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