錦窯と内窯について
色絵を焼く錦窯と言う窯があります。
色絵と言っても、この場合は下絵の色絵ではなく、上絵の色絵を指す窯です。
なので、低温釉の色絵となります。
具体的には、乾山の色絵陶器などです。
一例ですが、本焼きした作品に色彩をより豊かにするために、各色の低温釉薬を重ねて焼くものです。
ですから、焼く温度は900度以下。
そのような錦窯ですが、赤楽などを焼く内窯と名前が異なるだけで、窯自体はほとんど同じもしくは、全く同様の窯なんです。
たぶん、私の推測ですが、色彩豊かな色絵を気軽に焼けるので、錦の作品が出来上がるために、錦窯とあえて呼んだのかもしれません。
共に外窯と内窯(サヤ)があり、その窯の隙間に炭を入れて焼く窯なんです。
昭和初期には楽茶碗ブームがあったらしく、錦窯も販売していたようですが、今は残念ながらありません。
ただ、窯の構造自体は簡単な物なので、レンガを隙間を空けながら円筒形に積み上げ、中に植え木鉢をサヤの代用として入れて、赤楽は焼けるのではないかと、思っています。
いつかは、そんな安易に組み立てられる窯で焼成試験を試みてみたいです。