使わなければ色艶失う楽茶碗
楽茶碗は博物館に寄贈されていて、展示会などで目にする機会が多い博物館所蔵物の茶碗。
また、逆に光悦の「乙御前」、「ムキ栗」などの個人が所有しているて、余程の企画展などの催しがない限り、なかなかお目にかかれない茶碗があります。
そして、その二例にも属さない、博物館収蔵物だけど、他には貸し出しされない光悦の「不二山」などの茶碗があります。
一般的に言えることは、博物館所有の作品は個人所有の茶碗より、目にしやすく鑑賞はしやすいのは事実です。
ただ博物館所蔵物になっている茶碗はお茶会などで使われることは滅多に無いので、茶碗の表面はがカサツキ、色艶が薄れています。
半面、個人所有の名碗は、特別な茶会には使用されるため、カサツキは無く、何時までも図版で見る姿を保持しています。
茶碗は生き物です。
使ってナンボの世界なんです。
ですから、博物館所蔵物でもたまには使って、何時までも当時の色艶を保持して欲しいのですが、一回所蔵物になってしまうと、なかなか難しいのが現状のようです。
貴重品ですから、しょうがないことなんですが、茶碗の表情を見ているオヤジに取っては、チョッと悲しい現実です。