光悦の赤楽茶碗「乙御前」を教えていて
今日の授業も無事に終わりました。
今、生徒さんに教えている光悦の赤楽茶碗の「乙御前」も7割完成の域まで来たところです。
その生徒さんも陶芸を初めて楽茶碗は3碗目。
この生徒さんは知り合いから、楽茶碗を作るのであればあそこが良いと、私の教室を光栄にも紹介されて来てくれた生徒さんなのです。
初めは長次郎の楽茶碗が作りたいと言うことで入会されました。
0からの陶芸で、本人も出来るが不安のようでしたが、誰もが初めての事はたくさんあります。
要は、出来るようになるには、諦めないことだけです。出来るまで根を上げないだけなんです。
そうすれば、、必ず出来るようになるんです。テクニックはそれが一番大事。技法はその次なんです。
これを聞いて、皆さんは半信半疑だと思いますが、ほんとの話なんです。
話を戻しますが、その生徒さんは長次郎の楽茶碗を作り上げて、素焼きまで完成しています。
次に挑戦した茶碗は光悦の黒楽茶碗の「雨雲」です。茶碗の上部には釉薬が掛かっていなくて、下部にはギザギザした削りのある釉調の楽茶碗です。
これも何とか出来ました。しかし製作途中で同じ光悦の赤楽茶碗の「乙御前」がどうしても作りたくなったらしく、雨雲の完成の次は、乙御前の製作となりました。
その頃になると、その生徒さんも楽茶碗の作り方は手慣れたものです。私はただ見ているだけですみます。要所ようしょで口をはさむだけの指導ですんでしまいます。
一から十まで指導してしまうと、本人に力が付かないのです。なのでただただ見ているだけです。
でも、この光悦の赤楽茶碗の「乙御前」はとても曲者なのです。
丸い茶碗なのですが、その丸さの中には直線がかくれている茶碗なのです。だからそれが分かると、とても恐い茶碗に見えてきます。
その恐ろしさがなければ、緊張感とも言えますが、それらが無いと光悦の茶碗にはなりません。
あと、残り3割の製作中の「乙御前」ですが、何とか作り上げて欲しいものです。