丿貫(へちかん)みたいな茶人がいいな!
昔の昔、秀吉が催した北野大茶会。
その茶会に真っ赤な大きな傘を立てて、一人で茶を楽しむ人がいました。
見てはいませんが、その様に言われています。
その男の名前は丿貫。
ヤカンで湯を沸かし、適当な茶碗でも楽しんでいたようです。
その姿を見た秀吉が、その茶に対してたいそう喜んだということでした。
楽茶碗を作っている仕事柄、お茶の先生達とはお会いしますが、未だに丿貫みたいな人とは会ったことがありません、
私は変な話ですが茶道はしないのです。
初めて出た大きな茶会には、正客になってしまい出てきた菓子器に見とれていて、いざ我に返ったら頭の中は真っ白になり、何をしてよいやら全く分からずと言う経験をしました。
もう茶会何かでるものか!と思っていたら、数年後にたまたまお茶の先生の所に用事があって出向くと、初めから仕組まれていたかのように、炊飯の茶事なるものを受けることに。
この二つの経験により、何故か茶道は苦手なのです。
なので、丿貫みたいな自分の思うがままのものには抵抗を全く感じず、楽しめるのではないかと思っているのです。
でも、北野大茶会何かに於いての秀吉はさすがですよね!
利休とは違う次元で茶人ではないのでしょうか?
小田原北条成敗時にも、利休が韮山で採った竹にて作った竹花入の「尺八」が気に入るとか、また無一物のような長次郎の赤楽茶碗が良いと言うとか、なかなかセンス抜群なのです。
黄金の茶室にしても、ただ派手なんて言えませんよ!金と朱。
ちゃんと理にかなっています。
皆さんもどんな茶碗でも、自分が気に入ったらそれは自分だけの世界では名茶碗です。
そんな自分の名茶碗で、たまには仕事で疲れた身体を、ヤカンでお茶を点てながら飲んで下さいね!