楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗の焼成においてサヤあり、サヤなし。

楽茶碗の焼成において、楽窯のサヤ(内窯とも言う)の中に茶碗を入れて焼くか、それともそのままサヤを使わずに茶碗を焼くか?

まず、赤楽茶碗に於いては、サヤに入れなくても、黒楽より低温で焼けるので普通は使いません。

ぎゃくに黒の場合は、加茂川石釉薬では、どうしても1100℃位の温度は必要なので、ふいごにて温度を上げることになります。

温度を上げることは、どうしてもふいごの吹く回数も増えるので、火炎が大きくなります。

すると、炭の良く燃焼しているところと、多少燃焼が遅れているところでは、火炎のムラがどうしても起こります。

そうなると、茶碗の焼けムラが生じます。

それを防ぐためにサヤ(内窯)の中に茶碗を入れて焼くのです。

ただ、けってんとしては、サヤの遠赤外線により、茶碗が均一に焼けます。

均一に焼けることは悪くはないのですが、面白みが出ないのです。

黒楽茶碗は、多少の差で焼けムラがあった方が味わいがあるのです。

そのような黒楽よりを焼く時は、サヤをあえて使わずに、直に焼くんです。

でも、前述のように火炎のムラがどうしても発生します。

それをどうコントロールするかが、ふいごのテクニックになるのです。

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