楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

番外編で織部の土型作りです!

本日は、楽茶碗ではないんですが、ある社中の方からの注文である織部の向付の土型作りをしました。

土型は名の通り土で作ることもありますが、今回は石膏型です。

そうは言っても雌型は手で精密に沢山の図版を見ながらどの角度から見ても同じように作り上げるんです。

その雌型は実寸より収縮を考慮してやや大きめに作ります。

その雌型が出来たら、粘土で雌型の周りを完全に覆い、そこに石膏を流し込んで石膏の土型(石膏型)の雄型が出来る訳です。

今回は鳴海織部なので、五斗蒔の白土と赤土の半身合わせとなります。

余談ですが、昔の鳴海織部は上物と普通物の二つがあるんです。

上物は赤土と白土をつなぎ合わせて作り、普通物は白土で全体を作ってから、半身だけ赤土化粧を施しているんです。

当然前者の作り方は違う土を合わせるために収縮率により破損率は高くなりますが、土からくる味わいがあります。

反対に後者は生産性が高い反面、味わいに於いては前者のに及びません。

話は土型に戻りますが、織部の向付はほとんどと言って良いほど土型で作られています。

タタラを型に入れ込む訳ですが、織部の中には、ロクロで引いた器を無理矢理に土型に入れている作品もあるのには怖れ入ります。

昔の人は大胆ですよね!当然凹凸が少ない土型だけですが、驚きは変わりありません。

楽茶碗と異なり、土型(石膏型)は作る時は手間がかかりますが、一回作ったら何個も作れるので、揃いの向付の製作には便利な道具なんです。

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