楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

楽茶碗や楽焼に全く関係ない時計ですが!

今日やっとYouTubeの動画アップが70本になりました。 その70本目の内容は、私がいつも茶碗製作中というか、いつも身に付けている時計です。 楽茶碗と全く関係ないじゃないか!とクレームが来そうですが、この時計、丈夫でしっかり作られていて、値段も安…

商い茶碗を超える成りに作りて!

私は、楽茶碗を作っている身なので、こんな事を言うのは可笑しいですが、楽茶碗は商いにするものでは無いとと感じます。何故なら、楽の昔の作品である長次郎の作品をみていると、どうしてもそう思えて来るのです。同じ感覚は光悦の作品にも感じます。長次郎…

赤楽の原料と難さのパラドックス

赤楽の一番の難しさは釉薬では無く、黄土の選択と焼成温度です。黄土は焼成温度により、いろいろな色になるからです。冴えないオレンジから赤に近い色に、また朱に近い色になったりもする、厄介な原料なのです。厄介な黄土と言うことが分った時点で、私が使…

茶碗作りなんて日本の物作りではない!

やっと待に待った国産ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が出来ますね!日航も32機を導入するらしく、何よりだと思った矢先、新聞を見たら、国産は2割で後は外国部品!2割だったら、国産という感じじゃないですよね!私の記憶では、戦前は飛行機…

楽茶碗の作り方(基本編)

楽茶碗はどの位かけて製作すると思いますか?私の場合等は、通常は二日間です。私は数を作る時もあるので、二日間ですが、皆さんが製作する時は、自分のスピードに合わせて仕上げても一向に構いません。ただ、一日で仕上げる場合には、立ち上げた粘土の下部…

粘土だって自分なりの「楽典」をつくろうよ!

茶碗をやっている人は何故か学者みたいな人が多いんですよね! 学者じゃないのになぁー!何か偉そうで私は馴染めません。 音楽だったら、楽典がありある規則がありますよね。その規則に則って作曲したり、編曲したりするので皆が演奏出来る訳です。 この規則…

赤楽の少し大きめな窯を作るには

今日は少し大きめな赤楽窯の話です。動画で見れば形は一目瞭然ですが、材料は耐熱耐火煉瓦と耐熱耐火セメントで製作します。 直径は60センチ位の窯で燃料は薪です。薪の材質はナラですよ。 耐熱耐火煉瓦を円形に置き、その間に耐熱耐火セメントにて隙間を…

難しい黒楽茶碗の焼成方法ですが!

私の黒楽茶碗は何時も『伏せ焼』をしています。この『伏せ焼』と言う言葉は聞いた事がないと思います。なんせ、私が付けた焼き方の名称ですから、初めて聞く焼き方ですよね! 長次郎や黑織部茶碗の口縁部分を良く観察すると、「目跡」のような跡が数個付いて…

赤楽と黒楽茶碗の焼き方

赤楽も黒楽も、焼きは焦ってはいけません!ジワジワが基本です。 しかし、実際には楽茶碗を焼く窯は、各自異なり、火力が強い窯もある様です。火力が強い窯を使っている方は、ジワジワ焼ける様に火力を調整してください。 昔ながらの楽窯を使う場合は、外窯…

江戸時代 『黒楽茶碗の釉薬配合』

『楽焼秘嚢』による黒楽の釉薬調合。 ○本黒楽焼の方加茂川石 百匁 玉 五十目 ※「匁」と「目」は同じで(もんめ)と言います。「玉」とは、「白玉」=フリットです。○青山黒楽の方加茂川石 百目 玉 六十目 岩緑青 五十目 硼砂 八十匁 金ハダ 五十匁 水下土 二…

抹茶茶碗ってなんだぁ?

今日は茶碗のことは考えないようにしねいたのに、病気でしょうか?ふと、「そもそも抹茶茶碗ってなんだ?」と言う疑問がよぎってしまいました。抹茶を呑む茶碗だから「抹茶茶碗」だと、何故かこれだけの理由ではしっくり来ません。湯呑で抹茶を呑んだら湯呑…

今回は楽茶碗から脱線します!

今日は楽焼に関しては少し疲れたので、全く関係ない話です。やきものの事ばかり考えていると、視野が狭くなってしまうんです。そんな事で、私の好きなMiamiへと言いたいですが、日本から遠いMiamiなので、映画を一本ご紹介します。アメリカテレビドラマの『B…

楽茶碗 『赤楽の上薬の調合』

以下、尾形乾山の『陶工必用』から。楽焼薬之覚(仁清より)○楽焼白薬 (赤楽にもこの薬を用いる)白粉 百目 日岡石 拾五匁 びいどろ 五匁○内窯焼のかけ薬(押小路焼/孫兵衛より)白粉 百目 日岡石 四拾目○内窯焼のかけ薬(乾山より)白粉 百目 日岡石 三拾…

楽茶碗 『釉薬の基本』

楽茶碗での釉薬の原料は色々ありますが、中でも「白粉」、「白玉」、「珪石」は主要原料です。 「白粉」とはあの「おしろい」のことです。江戸時代の花魁などが顔を白くするために使った白い顔料です。当時は「おしろい」の毒性も分かっていませんので、毎日…

楽茶碗 『釉薬計量方法と記録の必要性』

楽茶碗の釉薬の調合は、どうしていますかね?ここで言う調合とは、各釉薬原料の計り方です。楽茶碗は毎回同じ釉薬を使っても面白みはありません。なので毎回時間が許す限り新しい調合を考えてテストピースを焼成するんです。でも、各テストピースの釉薬試験…

楽茶碗 「またの名を迷雲」

「例えばこのオヤジ、群れを嫌い、束縛を嫌い、権威を嫌い、叩き上げのスキルだけがオヤジの武器だ!」何てドラマのナレーションの如くカッコいいこと言ってみたいですねぇ! しかし、 「例えばこのオヤジ」=間違いありません。 「群れを嫌い」=間違いあり…

楽茶碗 『変な加茂川石』

黒楽茶碗は加茂川石が釉薬の主原料ですが、この加茂川石は不思議な石なんです。 何か不思議だと言えば、酸化焼成では黒楽に似ても似つかないえび茶色に焼き上がります。品もあったものではありません。 しかし、還元で焼くと見事に黒楽茶碗となるんです。変…

楽茶碗は何回焼いているのかな?

普通のやきものでは、素焼と本焼の二回の焼成をしますね!やきものはまず粘土を捏ねてから形を作ります。 作品が出来たら今度は乾燥して素焼します。素焼とは、700〜800度位で軽く焼くことです。この素焼により、粘土内に含まれる有機物は燃えてしまいます。…

黒楽茶碗の『黒』の色合い

黒楽茶碗の黒の色合いは沢山あります。長次郎の作品で言えば、『大黒』は黒の中に茶色の粒子が混じっていて、厚みのある味わいの黒です。 同じ長次郎の作品『俊寛』は、茶色の粒子は殆んど見られず、真っ黒に見えます。 また、利休の愛した長次郎作品の『禿…

楽茶碗 『窯は水分が苦手!でも!』

やきものを焼く窯。いろんな窯がありますね!私が専門の楽窯だけでは無く、もっと大型な穴窯、登り窯など形も大きさも多種多様です。しかし、多種多様な窯はあれど、火を扱う道具ですから、どの窯も当然水分は嫌います。何故水分を嫌うかと言えば、窯が湿っ…

楽茶碗 評論家や学者ではなく、感性を磨いて!

私のブログの文章及び内容は凄く感覚的で起承転結もなく、支離滅裂な内容で申し訳ない限りなのですが、これには私なりの自分勝手な思いがあります。 その思いとは、陶芸の世界は本もネット上も全てではないですが、ある意見や説明の流用や明らかに間違ってい…

楽茶碗 『光悦オヤジの凄さ!』

光悦の茶碗の写しを作る時は、他の作者の茶碗を作る場合と異なり、とても疲れるんです。私が作碗する時の感覚としては、茶碗の中と外を全て平面とし、1センチ角のマス目を描き、その1マス1マスの造形を確認しなければならない様な作業が延々と続くからなんで…

楽茶碗 『今迄の常識を変えるのが早道』

国宝である光悦の白楽茶碗『不二山』。他を寄せ付けない良い茶碗です。この茶碗の口縁から胴にかけては白で、腰から高台にかけては黒く焼けているような色合いを見せています。いろいろな解説では、窯変によるものだと説明されていますが、私の検証に於いて…

楽茶碗に思う『楽茶碗は大嫌い!』

私のブログの名前は『楽茶碗大嫌い!』です。茶碗を作り、土も合わせ、薬も石から作り、窯も作って来ました。今まで1000碗以上は有に超えている茶碗を作りましたが、楽茶碗は嫌いだ!と言う感情は今も消えません。これが趣味だったら面白いことと思います。…

楽茶碗 「光悦作品と刀」

光悦の楽茶碗で国宝の白楽茶碗である「不二山(ふじさん)」は有名ですよね!その他でも楽茶碗の「乙御前(おとこぜ)」、黒楽茶碗の「雨曇(あまぐも)」など名品茶碗を上げたら切りがありません。光悦の家の家業は刀の鑑定や研ぎ等です。本阿弥家と言い、代々そ…

楽茶碗にはいろいろあるんです!

黒楽茶碗の釉薬の主成分は加茂川石です。と言いたいのですが、今販売されている茶碗を見ると、???となる茶碗が溢れている感じがします。楽茶碗は「手捏ね」と言う技法で作ると聞いたことがありませんか?イメージで分かり安く手の動作を表せば、餃子を作…

楽茶碗 「箱書き」や「一期一会」の必要性

私は茶碗を製作していますが、「箱書き」と言うものは好きではありません。茶碗に印を押しているので、茶碗を守る箱以外は必要無いと思うのです。確かに現実には存在しませんが、信長や秀吉、また利休の「箱書き」が存在したら、とてつもない希少性を生み出…

真砂土に思う

まだ土石流に巻き込まれた方々の捜索が続く、広島の八木地区。この災害で亡くなれた方々にお悔やみを申し上げますと共に、いち早く現在行方不明の方々が見つかることを祈るばかりです。「粘土はどのように出来るか」の話の中で説明しましたが、花崗岩(かこう…

楽茶碗に幸せを!持ち主に幸せを!

今日ネットを何気なく見たら、以前納品した茶碗が、納品先から茶道具商に販売され、その茶碗がお客様の手に渡ったようです。これから、持ち主も焼き上げた茶碗も、どの様な人生を歩んで行くことか気になります。茶碗で言えば、あの茶碗は「ここをこう努力し…

楽茶碗の「茶溜まり」に思う

楽茶碗の見込み中央には、「茶溜まり」と言う凹みがあります。茶碗にはあるのは当たり前と言いたいのですが、現代の茶碗のようなくっきりした「茶溜まり」は、私はあまり好きではありません。私の考えですが、その「茶溜まり」の源流は高麗茶碗にあるような…

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