楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

楽茶碗製作者「迷曇」が使う道具紹介!

私が楽茶碗を製作している時に、茶碗の高台作りに絶対必要な道具を紹介したいと思います。茶碗製作のプロだから、それらしい道具を使っていると考えている方々がいらしたら、それは大きな間違いです。また如何にも勢いある削りをイメージされると思いますが…

円相は分からない。大円相なら!

以前にこのブログにて楽茶碗の「茶溜り」について私の考えは書きました。高麗系の茶碗に見られる見込みの円から楽茶碗の茶溜りが出来たのではないか?と言う内容だったと思います。円と言えば軸の「円相」がありますよね!ぐるっと筆で円だけを書いた軸。小…

カラスに水をかけたような黒楽茶碗

「カラスの濡れ羽色」。最近は余り聞かない色ですが、江戸時代はこの色合いが好まれていた感じがします。全ての作品とは言いませんが、楽家三代の道入並びに光悦の黒楽茶碗を見ると、その「カラスの濡れ羽色」を表現した黒楽茶碗があります。黒楽茶碗の黒色…

赤楽茶碗の焼きは兎に角データを取りましょう!

赤楽茶碗が好きな方へのアドバイス。 赤楽茶碗は焼く温度が黒楽茶碗より低いので、フイゴを使わずに気軽に焼けます。しかし、赤楽は反面黒楽より、何回も言っていることですが、難しい茶碗です。温度により赤の色は変わるし、味わいのある赤を発色させる難し…

こっちの道具、あっちの道具

詳しく知らないですが、「南方録」と言う南坊さんが書いた本がありますよね!行方知れずの南坊さんが書いた本。元禄時代に発見され、その本には「掛けものほど第一の道具なし」とやら。いわくつきの本ですが、掛けるものはそんなに大事なんでしょうか?無礼…

楽茶碗の「迷曇」ここにあり

茶碗製作者のオヤジの号である「迷曇」として、新たなる挑戦となる茶碗を作ります。黒楽茶碗か赤楽茶碗かは、まだ決めていませんが、形は決まっています。ハート形の茶碗です!ハート形の茶碗は世に既にあり、珍しいものではありません。私が着手するハート…

優等生では味わえない自然美

茶碗を焼いていると、問題なく焼けるときと、何かの拍子で茶碗の表面に傷が付くときがあります。その傷も味わいがあるときがあるんです。しかし、残念ながらマーケットはそれは不良品茶碗となってしまいます。今のマーケットは、傷があってはならないのです…

成金じゃないよ!

秀吉は黄金の茶室を作りましたね!キンキラキンの茶室です。壁、柱、天井までキンキラキンの金箔張りです。畳は赤のような猩々緋(しょうじょうひ)で、縁は萌黄地金蘭小紋。障子も赤の紋紗です。成金主義?見せびらかし?違います!黄金が成金だとしたら、神…

月は一つでっせ!

浄土真宗の蓮如が、親鸞200回忌に参列したときのお話。一休さんは、ケンカばかりしている他宗派が多いので、蓮如に対して詠んだ句は、 「分け登る麓(ふもと)の道は多けれど、同じ高嶺の月をこそ見れ!」さすが、エッチなエッチな一休さん!

楽茶碗が焼き上がると水で一服!

私は楽茶碗製作者ですので、抹茶を良く飲んでいると思われますが、実は飲みません。茶碗の焼成は時に茶碗を歪めます。1碗1碗手作りですから、毎回上がりも違います。なので、楽茶碗が焼き上がると、その茶碗の飲み口が歪んでいないか?茶碗の形が歪み、持…

あえて自分の言葉で表現する素晴らしさ!

光悦の赤楽茶碗である「乙御前(おとこぜ)」。愛好者も多い茶碗です。手のひらにスッポリ収まる愛くるしい形からでしょうか?昨日、私の乙御前写し茶碗で、時間が無かったため、水にてその茶碗の雰囲気を味わっていただいたところ、その方は「オッパイの様な…

with 煩悩のすすめ

人間には「煩悩」と言う変な物が存在します。その変な物は108個もあると言いますね!物欲、食欲、性欲、等々。男女とも変わりはありません。108個もあるのですから、無くそうとしても大変です。ですから、その「煩悩」たるものを無くそうなんて考えないほう…

楽茶碗と人間は同じもの

楽茶碗は世に腐るほど存在します。私は楽茶碗を見るとき、「お前さんは何者なんだい?どうしてこの世に生まれて来たんだい?」と問います。特に印無き無名の茶碗に対して!男女とも異性と知り合えば知り合うほと、また好きになるほど、相手のことを知りたく…

そこにある美

昨日は、とあるお茶の会の方々との顔合わせがあり、失礼ながら遅くまでお邪魔させていただきました。楽茶碗についていろんな感想をお聞きし、各々の率直な感想を聞け、そのテライの無い率直な生の声を聞けて充実感ある時間を共にしました。一言で感想を表せ…

茶室の入口

茶室には「躙り口(にじりぐち)」と言う小さな入口がありますね!腰を屈め、膝をニジニジすりよるからですかね?この「躙り口」は利休があみだしたものです。今までの貴人口(きにんぐち)から、「行」や「草」の形になったら、急に「躙り口」の出番となりまし…

本物を見分けよう!

ヤフオクをたまに見てみると、たくさんの楽茶碗が出品されています。中には良い茶碗もありますが、贋作まがいな茶碗も見受けます。そんな茶碗にたくさんの入札が入っているのを見ると不思議な感じがします。「もう少し観察すればいいのになぁ~」と。昔から…

光悦の意匠は?

光悦の工芸作品はたくさんありますよね!その殆どが刀と関係しています。直接的でなはくて、意匠です。例えば、国宝茶碗の「不二山」。この茶碗の側面は日本刀の身(刃)と中茎(手持ちの部分)の境目の空気感が茶碗の側面に意匠として表現されています。重文の…

変人オヤジ!

戦国時代の終わりの頃から桃山時代まで、変なオヤジがおりました。紹鷗(じょうお)から茶を修めてから、40歳から「ワシは目覚めた!」と奇行になりました。それはそれは、清貧ぶりは見事なり。手取り釜一つで煮炊きをし、茶の湯をチンチン沸かす侘数奇変人オ…

楽茶碗の「腰作り(その一)」をYouTubeにアップしました

やっと今、YouTubeに楽茶碗の「腰作り」をアップしました。 今回も手回しロクロを使わないでも楽茶碗は手軽に出来るように考慮し、高台も型紙を使って、綺麗な高台が削れるようにしたんです。 また、茶碗の立ち上げからの工程は今回の作品は口縁部がしっかり…

YouTubeにアップする「腰作り」過程の茶碗

先ほど、楽茶碗の腰作り第三章の撮影が終わりました。製作者も撮影者も私ですから、またもや画面からズレてしまいました。 ガックリ!です。今回の腰作りは、その1とその2のを作る予定です。今回は「その1」ですが、いつも通りに、道具が無くても、最小限…

茶壺は奥が深い壺でした。

昔からお茶を入れて、運んで、口切り(封を開ける作法)までの保管するのが、茶壺ですよね!この茶壺は趣だけではダメで、茶葉の香りが逃げない壺でなくてはならないんです。現代ではお茶はパックに入っていますけど、それでも封を切ると長く風味は保たれませ…

茶釜は鉄地じゃ、鉄地!

私の好きな茶釜は、何と言っても京三条の辻与次郎。「焼き抜き」技法や「肌打ち」は見事です。茶釜は形もさることながら、やはり刀と同じく鉄地です。簡単に言えば鉄の持つ趣です。鉄は日本人では馴染みの深い金属。平安時代から日本刀に於ては、芸術の域ま…

本物の黒楽茶碗を焼かせてあげたい。でも問題が!

茶道をされている方々に「自分の楽茶碗を焼いてみる」と言うアイデアを考えています。横で私が指導すれば、製作や焼成は問題は何らありませんが、問題点は1碗にかかる費用なんです。私は楽茶碗が本職ですので、私の製作時と同じように茶碗を作ってもらいた…

本阿弥光悦の源泉は

本阿弥光悦。ご存知ですよね!あの名品碗の数々、恐れいります。光悦茶碗が堪らなくラブの方もおおいのでは?光悦の茶碗は写し茶碗を作る度に、自分好みで作っているなぁーと感じます。白楽茶碗の国宝である「不二山」なんか、光悦寺にある池を連想してしま…

持てるてんかの侘茶

桃山時代にワープ!これ、利休!ワシは赤楽茶碗が欲しい!長次郎に頼んでくれんか!(てんか)ハァ?黒楽茶碗の間違いでは? 侘は黒楽茶碗に限ります。(利休)侘とは持たざる者よ! ワシは、わんさと金を持っているので、侘は関係ないんーじゃ!(てんか)てんか…

長次郎の茶碗の寸法

長次郎の楽茶碗の口径は10.5センチ前後です。このサイズは手の中で凄く作りやすいサイズなんです。だからこのサイズになった!では短絡過ぎですか?実は私も、何故利休さんがこのサイズで長次郎に依頼したかどうか分からないんです。依頼しなくて、長次郎が…

戸惑う楽茶碗の飲み口

楽茶碗を製作していて、いつも悩む箇所があるんです。それは飲み口。作り方に悩むんです。長次郎や光悦などの茶碗の飲み口の作りと、今の茶碗の作りは似て否なりなんですよ。私はなるべく昔の茶碗の趣を知ってもらいたいので、昔のような飲み口にすると、飲…

「侘」は大変だ!

「侘」と言えば、茶道などで使われますが、「侘」とは錆びているような渋さを表している訳ではなく、このオヤジのような蓄えのない人のことを言っていると思うんですよね!こんな蓄えの無いオヤジでも茶道が出来るようにしてくれた。(オヤジはしないけどね!…

待庵でのお茶はいかが?

私は茶碗を作るだけで、茶道はしていません。茶道をすれば、より茶碗が分かる利点の存在も否定はしません。でも、何か言葉には出来ないけれど、違うベクトルを感じるんです。その違いとは、好みの固定化です。茶道を私が分かると、当然自分の好みが固定化さ…

休みに思う「陰」と「陽」

今日は町はノンビリムード。休みの日は人々が自分らしい顔をしていて、平日の顔とは違いほのぼのしています。昨日の茶道の幹部の皆さんは、とても好感が持てました。新しい事を目の前にしても、目に力があり、まるで子供のような好奇心に溢れ、感じたままに…

Copyright 2014 meiun All rights reserved.