優等生では味わえない自然美
茶碗を焼いていると、問題なく焼けるときと、何かの拍子で茶碗の表面に傷が付くときがあります。
その傷も味わいがあるときがあるんです。
しかし、残念ながらマーケットはそれは不良品茶碗となってしまいます。
今のマーケットは、傷があってはならないのです。
勿論、ヒビも同じです。
購入する側から見たら当然と言えば当然です。
でも、それらの傷やヒビが茶碗をより引き立て、味わいを増すことが多々あるのです。
自然の成り行き。
わざとらしくなく、成りに作り、成りに焼かれた茶碗の存在は、何かを語りかけます。
優等生でない茶碗ですが、人間味がそこには存在するのです。
皆さんが茶碗を焼かれた場合は、是非焼成が失敗したとしても、また自分の思うように焼けなかったとしても、出来上がった作品を良く観賞して、そのできそこないの茶碗と対話してください。
優等生では決して味わえない人間味がそこにはありますから!