楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

火の道は怖い怖い!

楽茶碗を焼いていると、あるところだけ火勢が強くなるところが出ることがあります。

これを放置していると、ますます火勢は強くなり、茶碗の焼きにムラが出てしまいます。

この火勢が強い場所は「火の道」と言い、そこだけに余計に火炎が集まります。

一部の炭が燃え盛ると、ドンドン炭が燃焼して細かくなり、細かくなることにより、火の回りが盛んとなり、余計に火勢が強くなることが原因です。

そうならないために、火の道が出来たら、直ぐに鉄棒等で炭をつついて炭と炭の間の空間を無くします。

そのような動作を繰り返しながら、窯全体の温度を上げて行くのです。

でも、茶碗の焼きが9割を超えてもうすぐ焼き上がるところまで来たら、あえて火の道を人為的に作ることもあります。

これはテクニックの範疇なんですが、一部だけ温度を火の道により上げて茶碗に表情を付けるために行います。

一か八かなんですから、とても緊張するんですけどね!

このテクニックを使わなくても、作品は上出来なのに、あえてそれ以上の作品の上がりを狙う訳ですから、失敗かど成功かの勝負。

火の道は怖いですけど、その怖い火の道を利用することも出来るんです。

でも、利用したらしたで、また火の道は怖いということです。
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