光悦の美的視点
光悦の視点は私達が考える以上に細かいところに着眼点を置いているように思えます。
光悦流と言われる書体にしてもしかりです。
筆の線の流れを見ると、命毛の流れまでまで神経を払っています。
また、楽茶碗で言えば、今までに光悦の楽茶碗については述べていますが、「錆際」からの意匠を現しています。
ただ、ひとつ思うのは、我々が一見する日本刀の刃紋の漠然とした動きや流れではありません。
「不二山」の錆際の少し上に刄紋状の施釉はありますが、これは希であり、一見して安易な波状の刄紋のような意匠はありません。
そこには、本家の商いである日本刀に小さい頃から接している光悦ですので、より日本刀の細部の美にこだわったのかもしれませんね !